★シャイな幸の独り言
幸甥セミとりジーピポン
2002年7月30日火曜日
 甥(姉の子)にせがまれてセミとりにつき合わされました。
 大阪の祖父の誕生日に、実家に集まった日のことです。祖父はお陰さまで健在です。 実家に来ると先ず墓参り。お寿司を食べておしゃべりです。その間幸はよく裏庭に行きます。祖父と父母そして姉夫婦はビールを飲んで盛り上がっています。
【 シカーダ・イン・メモリー 】

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 甥は退屈なのか、「サッチャンはどうしておビールのまないの?キライなの?うらに一人で行くとボクあぶないな。サッチャンせみとりしたい?」と東京弁で喋ります。
 父が少しぐずってきた甥を見て「サッチャンと蝉を捕まえといで」と言ったからなのです。
 「グェー!」幸は正直蝉は好きではありません。気持ち悪いです。あの太いお腹がイケテません。
 そういえば、弟が小学生の頃、父と弟は蝉が好きなのか、夏になると蝉捕りをしてはしゃいでいたのを思い出します。
 はたして嫌な役割が幸に回って来ました。
 
 「採集アミがないからできないね。」と言うと、すかさず父が「アミならあるで。」いつどこで買ったのか新品のを出してきました。「えっ!ウソ!マジ?いつの間にこんなもん車に積んだンや?」

 結局裏庭に行って、ミ−ンミ−ン、いやジャンジャンジーンジーンと鳴くセミを捕まえる羽目になりました。それにしてもよく鳴くわ!
 「いた!いたッ!あそこ!サッチャンはボクより背が高いから、捕まえるのはサッチャンだよ。」「うん...」と幸が元気のない返事をしたのか、すぐさま「サッチャンセミこわいの?」と口の減らない奴。心の中で「やかましい!」と言いながらアミを思いっきり木にかぶせると、「ジャジャッ」と二言、おしっこをかけられ逃がすこと2回トライアル失敗。かっこ悪い!
 さあー、大変、蝉と私たち二人のいるこの裏庭は、松尾芭蕉が奥の細道の旅で、山形県山形市郊外にある立石寺(りっしゃくじ)という山寺立ち寄って、「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」と詠んだ風流な世界ではありません。幸の面目と逃げんかなの蝉たちの修羅場です。
 「いた!又いたッよ。ここ!」「バサッ...」失敗。ここでもあそこでも失敗下手っぴ。

 「ほらっ、こっち」今度こそと思って思いっきりかぶせると、アミの柄かどこかが蝉の頭に当たったのか、脳震盪を起こしたのか「ジャッー」といったまま地べたに落ちました。

 「やがて死ぬ けしきは見えず 蝉の声 (芭蕉)」といったところでしょうか。短い命に追い討ちをかけるようなことをして、あー残酷なことをしてしまいました。
 「あれ!、死んだの?」「・・・。」「ねえ、上向いているから起こしてあげてよ。」
 えっ?もうー、こわいやん。と思いつつ、平静をつくろって「起こすのは男の子、サッチャンは見ててあげるからね。」と言って甥につかませようとした途端、「ジャーン(蝉)」「キャー(幸)」「わあっ!(甥)」。
 蝉は勢いよく跳ね起き、甥の手にオシッコをかけて逃げ去りました。

 一瞬時が止まったように...「あー、こわかった。ボクこわかったよ。」「うんうん、こわかったね。・・・もう蝉捕りやめようか。サッチャンが蝉をヴィデオでとってあげるね。これもセミとりでしょ?」「うん。そーだ。これもセミとり。」
 ジー・・・ピポン
 ジー・・・ピポン
 幸が一生懸命撮っていると、「ボクもとりたい。」と言って甥も撮影すること数十分。
 ジー・・・ピポン
 ジー・・・ピポン
 甥と幸のいい思い出ができました。
 
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。
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