コーラス一年後
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コーラス一年後
2005年4月8日金曜日 「シャイな幸の独り言」トップへ
 映画『 コーラス (2004) LES CHORISTES / CHORISTS 』、フランス公開一年後を紹介します。
 おそらくこの<『 コーラス 』フランス公開一年後>記事は、入手した2005年4月5日現時点では、日本のどの映画個人サイトでもないと自負しています。
 例によってこの『 コーラス 』関連記事(他の記事の参照ページ)は、フランスパリ在住のY女史の許諾を得て掲載しています。恐れ入りますが、このページのY女史のテキストのコピーや加工・修正での掲載や二次使用などは、一切お控えくださいますようお願いいたします。リンクなどはこちらをお読みください。
コーラス 画像01
Y女史の映画『 コーラス LES CHORISTES 』の映画評
 映画『 コーラス LES CHORISTES 』一年後
文: Y (フランス・パリ在住) 編集:SatiY-
 フランス公開2004年3月17日の初上映以来、フランスで一現象にまでなった映画『 コーラス (2004) LES CHORISTES / CHORISTS 』。1年が過ぎ、テレビ放映が始まりましたが、今も各地の映画館で続映されています。

 さて、関係した人達のその後は?

Christophe BARRATIER(監督):
コーラス 画像02 クリストフ・バラティエ  映画「コーラス」旋風の中で一年間を過ごしたクリストフ・バラチエ監督は、成功は嬉しいものの、正直な所、今やほぼ’コーラス’飽和状態だそうです。
 クリストフ・バラチエ監督自身の頭は、既に次作に集中しているので、’コーラス’話題はストップして新しい作品に係るべき時が来た、と最近のインタヴューで答えていました。
 バラチエ監督の次作『Faubourg36/フォーブール36』は、1936年代のミュージック・ホールを舞台にした映画という事で、再びジェラール・ジュニョと一緒に仕事をするそうです。1作目の大成功の後、優しい世界とは決して言えない映画界で‘曲がり角で虎視眈々と待ち構えている’(油断大敵を注意する言い回し)人達の犠牲にならないよう、監督はよほど注意してかからなければならないでしょう。

Jacques PERRIN(制作及び大人のピエール・モランジュ) :
 ジャック・ペランは、休む暇もなく仕事をしているようです。2004年には、「コーラス」のプロモートはもちろん、海洋哺乳動物を扱ったドキュメンタリー映画『Océan(オセアン)』の製作と監督を手がけ、エマニュエル・べアールやジャック・ギャンブランとの共演で近々上映予定のドラマ映画『L'enfer(ランフェール)』に出演。今年はバラチエ監督の『Faubourg36』の製作と、自らメガホンを取る、フランス植民地時代から米国退却までのベトナムを舞台にしたドラマ映画『L'Empire du milieu du sud(ランピール・デュ・ミリユー・デュ・シュッド)』が、今の所予定されています。最近話題になりかけた合唱団の一父兄からの告訴に関しては、映画’コーラス’の実績結果を発表し、合唱団との契約には間違いがないと見られるので、今後は弁護士の手に委ねると発表しました。

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Gérard JUGNOT(クレモン・マチュー先生) :
  ジェラール・ジュニョが、「コーラス」の後、自らメガホンを取った映画『Boudu(ブーデュ)』が、今フランスで上映されていて、大ヒットとは言えませんが、なかなか良い成績を収めています。
 この映画はジャン・ルノアール監督の『Boudu sauvé des eaux(ブーデュ・ソーベ・デ・ゾー:1932)』の現代版リメイクで、生活がきしんでいるプチ・ブルジョアの夫婦と、そこへひょんな事で転がり込んだまま居座るホームレスのブーデュの共同生活を描いたコメディー。
コーラス 画像03

 共演はジェラール・デパルデュー(ブーデュ)とキャトリーヌ・フロと言う、まず間違いの無い配役です。ジュニョにとっても、「コーラス」のページは既に閉じられ、この秋上映予定の『Il ne faut pas jurer du rien(イル・ヌ・フォー・パ・ジュレ・ド・リアン)』の他、今年はバラチエ監督との『Faubourg36』、そして『Les Bronzes(レ・ブロンゼ)』シリーズ第3作も準備中とか。でも、どうやら彼はジャン=バチスト・モニエ君の « マチュー先生 »は続けているようです。今年の*Les Enfoirés(レ・ザンフォワレ)のコンサートにジャン=バチスト・モニエ君をひっぱりだしたのは、きっとG・ジュニョです。
 一万人の観客を前に、大物歌手5人と共に舞台に立ったJ=B・モニエ君のパフォーマンスを心配そうに舞台の側で見守っていたジュニョが、無事に歌い終わるのを確かめると、割れるような拍手の中、目頭を押さえて舞台裏に駆け込む姿をカメラは逃しませんでした。

* =Les Enfoirés(アホンダラ達)は、生活困難に陥った人達に冬場に暖かい食事を供給する目的で、コミックのColuche(コリューシュ)が始めた『Resto du coeur:レスト・デュ・クール(思いの食堂)の運営費を集める為、コリューシュ死後、その遺志を継いで無償で毎年チャリティー・コンサートを行う芸能・文化・スポーツ界の大物参加者達の総称です。コンサート及びそのDVDとCDの売上金が運営に回されます。

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Jean-Baptiste MAUNIER(ピエール・モランジェ少年時代):
  『コーラス』出演以来、いきなりスターになってしまったモニエ少年は、この一年間、あらゆるメディアで取り上げられ、テレビ出演やコンサート、そして映画のプロモートと、非常に忙しい一年を過ごしました。又、ジャン=バチスト・モニエとして、同じくティーン歌手の少女Clémence(クレマンス)とスキャットで歌ったシングルCD『Concerto pour deux voix(コンチェルト・プール・ドゥ・ヴォア)』も、成功を収めています。
コーラス 画像04 ただ、あまり急激な生活変化に、心身共の健康を心配した彼の両親は、家族との生活と学業優先の為に、暫くの間メディアと距離を置くようモニエ君を説き伏せたと言う事です。変声期が近づいていることもあり、合唱団からの退団を早め、テレビ出演もテーマを持った番組を選ぶ方針のようです。最も、公表されている以外の理由もあると思われますが、下手をすると頭デッカチになる年頃故、足が地についた生活を忘れさせない為と、プロとアマチュアの中間点にいるような不安定な立場で、契約等の早まったミスを避ける為の、両親の賢明な対策でしょう。
 ファンの少女達には可哀想ですが、彼の両親が取った道は、決して間違っていないと思います。9月の新学期からは、G・ジュニョの助言に従って、演劇コースも受け、良いシナリオであれば、夏休みの間等、学業の邪魔にならない時期に撮影すると言う前提で映画出演も考えているとか。既にテレビ映画が一作決定しているということです。歌を止めるのは本当かと言う質問に対しては、声変わりするまでは歌うが、映画の仕事に全力を注ぎたいと、又、両立出来るのでは?と言う質問には、「先の話だから..」と答えていました。

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Maxence PERRIN(ペピノ):
 前歯もはえ揃い、撮影の頃に比べ10センチ以上背が伸び、すっかり少年ぽくなったマクサンスは、この一年の間に、短編映画を1本撮り終わっていますが、モニエ君のようにはあちらこちらに出ていません。歌を習っているとか、撮影中裏方さんに付きまとっていたので大工仕事が好きになったとか…、何処まで本当か解りませんが、ファンが沢山いるのは確かです。まだ10歳にもなっていないので、なるべく自然に育って欲しいものです。

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Les petits chanteurs du St.Marc(合唱団-歌声のみ) :
 映画の成功以来、『Les Choristes』という名で、コンサート、テレビ出演、レコード録音と、合唱団は活躍の場を広げています。週末や、休暇時のみの活動とはいえ、スケジュールはかなり詰まっているようです。この夏には、クルージング・ツアーで歌うとか…。 合唱団=JB・モニエというイメージが強いため、モニエ君が退団した今、これからどのように受け止められて行くのか、少し心配です。公演やTV出演で入る金額は、合唱団運営に回されるということなので、大人達の売れんかな主義の波にもまれ、折角の美しい声が疲れて輝きを失わないよう祈るのみです。『木の十字架合唱団』並の安定した合唱団になれば良いのですが…。

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 あと、映画『コーラス』のベースであるDreville監督『La Cage aux rossignoles(ラ・カージュ・オー・ロッシニョル:ナイチンゲール達の籠)』のバラチエ監督コメント付きDVDが発売され、テレビでも放映されています。
 この映画の中のクレマン・マチューは、売れない作家で、問題児を集めた寄宿施設でコーラスを教えていた時のことを書いた『La cage aux rossignoles』を、新聞社で働くことになった友人が掲載予定の小説とすり替えて、成功します。彼は、問題児ロージエ(「コーラス」のモランジェ少年)の従姉マルチーヌ(「コーラス」では、モランジェ少年の母親)と恋に落ち、本の成功によって結婚を許されます。「コーラス」とは違い、ハッピーエンドです。施設内でのストーリーは「コーラス」でも殆ど変わっていません。この映画に出演している子供達は『木の十字架』少年少女合唱団の男の子達で、実際に歌っていました。ラモーの『La nuit』は、この映画の中でも歌われていました。 このように、余波は未だ続いています。
 2005年のフランス映画界は、どのような動きを見せるでしょう?
(Texte par Y)

以上。Y女史の許諾を得て掲載。※タイトルの写真は【冬のモンマルトルの夕焼け(撮影:Y女史)】です。

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参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      Mars Distribution
      CinemaClock.com
      シネムービー/Yahoo!
      allocine.com <http://www.allocine.fr/>
      コーラス (2004) LES CHORISTESの画像の著作権:Miramax Films
      Courtesy of (c) 2005 Miramax Films.All rights reserved.
Text by Sati
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。
coda_sati@hotmail.com
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