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 シャイな幸の独り言
小樽散策
2003年11月23日日曜日 「シャイな幸の独り言」トップへ
 小樽までの 620 円の切符を握り締め、札幌駅から出発間近の JR 函館本線に乗り込みました。2003 年 11 月 19 日北海道に来て初めて乗る電車です。運転手さん目線で北の大地の景色を見たいと思い、両側にクロスシートが並ぶ車内を、一両目まで歩いて行きました。やっと辿り着いたのですが、電車のフロントガラスから見える眺めは、私が通勤列車から見る風景とさほど変わりがないと初めは思いました。

電車の窓から見える石狩湾

小樽 11
電車はついに小樽駅に到着

小樽 02
裕次郎ホーム

 ところが、一駅、一駅と進むうちに、車窓の景色は徐々に寂れた北の町へと変化していきます。そして、その駅名にあやかって賽銭箱のようなものが飾られた、「銭函(ぜにばこ)」という駅を過ぎると、なんとすぐそこに海が!何となく物悲しい海、揺れるカモメの群れ、波が押し寄せる石の多い浜辺が、線路のすぐ側に存在しているのです。右側の窓から見える石狩湾の景色には、本当に感激しました。『 千と千尋の神隠し (2001) SPIRITED AWAY 』の海を走る電車を思い出しました。

 小樽-札幌間に日本で3番目、道内では初めてという鉄道が開通したのは明治 13 年( 1880 年)のことだそうです。先人たちが大変な苦労をして、この路線を開拓したお陰で、そんな線路が運んでくれた小樽は、明治のロマンが香る町。小樽駅に到着し、電車から降り立つと、向かいのホームには石原裕次郎…。小樽は昭和の大スター石原裕次郎縁の土地でもあります。彼が幼少期を過ごし、第二の故郷として愛した小樽には、「石原裕次郎記念館」があります。(後述の小樽のスーパーマーケット、ポスフールのすぐ近く。)ウイングベイ(南小樽)は近代的ですが、"ノスタルジック"が小樽の売りだと思いました。

 小樽の名所を巡る為、私は中央バスの「おたる散策バス」に乗ることにしました。 750 円のこの乗車券で、小樽市内線のバスも1日乗り放題になります。「おたる散策バス」は、小樽駅前→博物館前→北運河→交通記念館→旧日本郵船前→田中酒造店前→運河プラザ→旧ウォール街→堺町→北一硝子前→新南樽市場→ウイングベイ小樽→ホテルヒルトン小樽→ぱるて築港→小樽港マリーナ・石原裕次郎記念館→勝納埠頭→旧岡崎倉庫前→ヴェネツィア美術館→かま栄本社前→小樽運河→日銀前(小樽バイン前)→稲穂十字街→小樽駅前というコースを簡単な案内放送付きで巡ってくれます。
小樽 03
小樽の町と海が一望できる大観覧車

小樽 04
おたる散策バスに乗ります!
小樽 05
白亜のヴェネチア美術館

小樽 06和洋折衷の小樽の町並み
小樽 07
小樽運河

小樽 08
小樽運河

 小樽の語源は、アイヌ語で「砂の中を流れる川」という意味の”オタルナイ”だそうです。明治の北海道開拓時代に物流の拠点として発展した小樽は、鉄道の完成、日清戦争( 1894-1895 )・日露戦争( 1904-1905 )での勝利のお陰で、"北のウォール街"と呼ばれるほどの繁栄を極めました。その名残が町のあちこちに今も見られます。その内の一つがあの有名な運河です。小樽運河には、たくさんの観光客が記念撮影に訪れていました。洋風な街灯に、古い倉庫が建ち並ぶ運河の風景は、情緒豊かなものです。石造りの倉庫など、昔の建築物を改造した土産物屋さんや飲食店等が軒を連ねる堺町を歩いていると、何だか不思議な町に迷い込んだような感じがします。同じ港町だからでしょうか、ちょっと神戸の雰囲気もあります。洋風だけど和風。文明開化の明治時代の都市は、こんな感じだったのでしょうか?

 小樽は海洋性の気候で寒暖の差があまりないそうです。しかし、札幌より北にあるだけあって、寒かったです。頭が深々冷えました。可愛いパッケージのせいで、千歳空港で思わず買ってしまった「バンビキャラメル」を元気付けに歩きながら食べました。「バンビキャラメル」(一箱 100 円)は、大正 11 年( 1922 年)創業の地元小樽のお菓子メーカー、池田製菓の製品です。去年( 2002 年)創業 80 周年記念に発売された復刻版「バンビキャラメル」は、バンビが印刷されたレトロな箱が消費者の心を掴み、注文が殺到したそうです。

 小樽は美味しいお寿司でも有名です。回転寿司でも十分イケてると、ネット上で知ったので、私は寿司屋通りではなく、マイカル小樽の跡にできたポスフール小樽店の一階にあるという回転寿司屋を探しました。

小樽 09
店員さんが親切だったポスフール小樽

小樽 10
Posfulポスフール小樽は国際的!
トイレ内の表示は日本語とロシア語です


 うん。あるある!ネットの情報通りです。
お昼に札幌でラーメンを食べてまだ空腹ではなかったので、一応場所だけ確認しておいて、小樽のスーパーマーケット・ポスフール内を散策しました。スーパー内に北海道のお土産コーナーや、「地方発送承ります。」といった表示のある魚売り場があるなんて、小樽はまさに観光の町です。そして、港町小樽のスーパーには、ロシア人も結構買い物に来ていました。トイレにはロシア語の表示もあり、驚きました。

 そして、歩き回った後、少しお腹を空かして、お目当ての回転寿司へワクワクで入ります。あれ?・・・うーん、全皿 100 円じゃないなんて、すこし、幻滅です。
 でも、記念だから適当に、マグロ、たまご、イカげそ、しそイカ、ネギトロなど120 円皿ばかり取ってみました。120 円皿は黄緑色です。味は?うーん、何と言って良いのでしょうか?それに、回る寿司の数がまばらで食欲が湧いてこないような気がしました。やはり、回転寿司屋さんは客が並ぶぐらいいて、コンベアーにはみ出すぐらいの品数でないとしっくりきません。いい経験になりました。ところでお味は?・・・うーん。安くて、早くて、ウマいをモットーにした「あきんど」や「くら」で馴らされている関西人の幸にはチョット受け入れられませんでした。生意気なこと言ってスミマセン。
 小樽を訪れたのは午後からだったので、札幌にホテルを取っている私の観光時間はそう長くはありません。小樽の鰊(にしん)御殿もすごく見たかったのになぁ。帰りも JR に乗りましたが、もう日が落ちて真っ暗なので、往きの様な風景は見られません。しかし、遠くに見える町の灯りと漁船の灯りがまた何とも言えず、キレイでした。窓にへばり付いて景色を眺めていると、ふと窓に映った隣の席に座る予備校生らしきカップルが目に入りました。男の子が女の子に難しそうな数学の問題を教えてあげているのですが、数学に必要のないこともしています。真っ暗な夜の闇を札幌に向かって走る車窓に映る若い二人のカップルを見ていると、関西の神戸も北海道の小樽でも大らかになったなあと、20代の幸でも感じます。
 ああ!ノスタルジア小樽よ!さようなら...。明治小樽から遠退(とおの)いていく電車の中、明治も遠くなってしまったものだなと思いました。

Text by Sati
coda21「映画の森てんこ森」幸田幸。
coda_sati@hotmail.com
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