ハリー、見知らぬ友人
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ハリー、見知らぬ友人 (2000)
WITH A FRIEND LIKE HARRY (米題) / HARRY IS HERE TO HELP (米題)
HARRY, UN AMI QUI VOUS VEUT DU BIEN (仏題)
 映画『 ハリー、見知らぬ友人 (2000) WITH A FRIEND LIKE HARRY (米題) / HARRY IS HERE TO HELP (米題) / HARRY, UN AMI QUI VOUS VEUT DU BIEN (仏題) 』をレヴュー紹介します。

 映画『 ハリー、見知らぬ友人 WITH A FRIEND LIKE HARRY 』を以下に目次別に紹介する。
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の解説及びポスター、予告編
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の映画データ
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 』のトリビア
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 』のスタッフとキャスト
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタばれ)です。※ご注意:映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の内容やネタばれがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の結末
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 』のスタッフ
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の感想(ネタばれご注意)
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 WITH A FRIEND LIKE HARRY 』の解説及びポスター、予告編
ハリー、見知らぬ友人
ハリー、見知らぬ友人
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の解説

 映画『 ハリー、見知らぬ友人 (2000) WITH A FRIEND LIKE HARRY (米題) / HARRY IS HERE TO HELP (米題) / HARRY, UN AMI QUI VOUS VEUT DU BIEN (仏題) 』は、2000年度のセザール賞で最多の9部門にノミネートされ、セルジ・ロペス(『 堕天使のパスポート (2002) DIRTY PRETTY THINGS 』『 歌え!ジャニス・ジョップリンのように (2003) JANIS ET JOHN (原題) / JANIS AND JOHN (英題) 』等)が主演男優賞、ドミニク・モルが監督賞など4部門を受賞したちょっと面白いサイコ・サスペンス。映画『 ハリー、見知らぬ友人 』は、フランスでは約 200 万人を動員する大ヒット映画だったそう。映画『 ハリー、見知らぬ友人 』は、私のオススメ映画の一つ。
 妻クレール(マティルド・セニエ)と三人の娘を抱えたしがない男ミシェル(ローラン・リュカ)は、ヴァカンスへと向かう途中、サービスエリアのトイレで、高校の同級生ハリー(セルジ・ロペス)と名乗る男と出会う。ミシェルは彼のことを全く覚えていないが、ハリーはミシェルをよく覚えていた。そして厚かましくも恋人プリュンヌ(ソフィー・ギルマン)と一緒にミシェルの別荘にやって来る。高校時代に文集に載ったミシェルの詩を暗誦できるハリーは、ミシェルの文才を信じていた。そしてミシェルが小説家になれるように、リッチで親切なハリーは、彼の邪魔になっているものを次々と抹殺しようとするが…。
 映画『 ハリー、見知らぬ友人 』は、‘フランス’という国がとても理解できる映画だった。映画『 ハリー、見知らぬ友人 』のドミニク・モル監督がドイツ出身の映画監督だというから納得。自国の監督だったら、こんなにシニカルにフランスを描けなかったのではないかな。
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
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Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画ハリー、見知らぬ友人 (2000) WITH A FRIEND LIKE HARRYの映画データ
 上映時間 112分
 製作国 フランス
 公開情報 セテラ
 初公開年月 2001/05/12
 ジャンル コメディ/サスペンス
 《公開時コピー》どこのだれかは知らないけれど、あなたのそばにもきっといる。
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■映画ハリー、見知らぬ友人 (2000) WITH A FRIEND LIKE HARRYのトリビア
 「映画の森てんこ森」内にある『 ハリー、見知らぬ友人 』のようなフランス映画の解説やレヴュー
カミーユ・クローデル (1988) CAMILLE CLAUDEL
パリのレストラン (1995) AU PETIT MARGUERY
TAXi (1997) TAXI
オーギュスタンの恋々風塵 (1999) AUGUSTIN ROI DU KUNG-FU (原題) / AUGUSTIN KING OF KUNG FU (米題)
ジャンヌ・ダルク (1999) JOAN OF ARC / THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC
橋の上の娘 (1999) LA FILLE SUR LE PONT
パリの確率 (1999) PEUT-ETRE
ロゼッタ (1999) ROSETTA
TAXi 2 (2000) TAXI 2
青い夢の女 (2000) MORTEL TRANSFERT (原題) / MORTAL TRANSFER (英題)
犯罪の風景 (2000) SCENE DE CRIMES (原題) / CRIME SCENES (英題)
ヴィドック (2001) VIDOCQ
ジェヴォーダンの獣 (2001) LE PACTE DES LOUPS (原題) / BROTHERHOOD OF THE WOLF (英題)
YAMAKASI ヤマカシ (2001) YAMAKASI
アメリ (2001) AMELIE POULAIN / LE FABULEUX DESTIN D'AMELIE POULAIN
ピアニスト (2001) LA PIANISTE (原題) / THE PIANO TEACHER (英題)
リード・マイ・リップス (2001) SUR MES LEVRES (原題) / READ MY LIPS (英題)
リトル・トム (2001) LE PETIT POUCET (原題) / TOM THUMB (英題)
女はみんな生きている (2001) CHAOS
8人の女たち (2002) 8 FEMMES (原題) / 8 WOMEN (英題)
いつか、きっと (2002) LA VIE PROMISE (原題) / GHOST RIVER (英題)
イザベル・アジャーニの惑い (2002) ADOLPHE
イン・マイ・スキン 人には言えない、私が本当にしたいこと (2002) DANS MA PEAU (原題) / IN MY SKIN (英題)
ブリジット (2002) BRIDGET
ドリーマーズ (2003) THE DREAMERS
ミッション・クレオパトラ (2002) ASTERIX & OBELIX: MISSION CLEOPATRE (原題) / ASTERIX & OBELIX: MISSION CLEOPATRA (米題)
かげろう (2003) LES EGARES (原題) / STRAYED (英題)
やさしい嘘 (2003) DEPUIS QU'OTAR EST PARTI (原題) / SINCE OTAR LEFT (英題)
ベルヴィル・ランデブー (2003) LES TRIPLETTES DE BELLEVILLE (原題) / THE TRIPLETS OF BELLEVILLE (英題) 』
ボン・ヴォヤージュ (2003) BON VOYAGE
花咲ける騎士道 (2003) FANFAN LA TULIPE
巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト) (2003) PAS SUR LA BOUCHE (仏題) / NOT ON THE LIPS (英題)
陽のあたる場所から (2003) STORMY WEATHER
エグザイルス (原題) (2004) EXILS (仏題) / EXILES (英題)
エスキーブ (サイドステップ) (2004) L'ESQUIVE (レスキヴ)
コーラス (2004) LES CHORISTES / CHORISTS
スターは俺だ! (2004) PODIUM

パリ警視庁:オルフェーヴル河岸36番 (仮題) (2004) 36 QUAI DES ORFEVRES
フレンチなしあわせのみつけ方 (2004) ILS SE MARIERENT ET EURENT BEAUCOUP D'ENFANTS / AND THEY LIVED HAPPILY EVER AFTER
ヤマカシ2 (仮題) (2004) LES FILS DU VENT (原題) / THE GREAT CHALLENGE (英題)
レ・スール・ファッシェ (原題) (2004) LES SOEURS FACHEES (仏題) / ME AND MY SISTER (英題)
レキピエ (原題) (2004) L'EQUIPIER (仏題) / THE LIGHT (英題)
ロング・エンゲージメント (2004) UN LONG DIMANCHE DE FIANCAILLES (原題) / A VERY LONG ENGAGEMENT (英題)
キングス&クイーン (2004) ROIS ET REINE (仏題) / KINGS AND QUEEN (英題)
満ち潮の時 (2004) QUAND LA MER MONTE... 』等があります。
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【『 ハリー、見知らぬ友人 』のスタッフとキャスト】
監督: ドミニク・モル Dominik Moll
製作: ミッシェル・サン=ジャン Michel Saint-Jean
脚本: ドミニク・モル Dominik Moll
    ジル・マルション Gilles Marchand
撮影: マチュー・ポアロ=デルペッシュ Matthieu Poirot-Delpech

出演: セルジ・ロペス Sergi Lopez ハリー(ハロルド)・バレステロ
    ローラン・リュカ Laurent Lucas ミシェル・パップ
    ソフィー・ギルマン Sophie Guillemin プリュンヌ
    マティルド・セニエ Mathilde Seigner クレール

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<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタばれがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【ハリー、見知らぬ友人 第01段落】  ヨーロッパにはヴァカンスがある。30度をゆうに超えた気温でも働かなければならない日本人には全く羨ましい限りの習慣であるが、ヴァカンスに出かけるのも大変そうである。特にこの映画のミシェル(ローラン・リュカ:
ハリー、見知らぬ友人 (2000) WITH A FRIEND LIKE HARRY (米題) / HARRY IS HERE TO HELP (米題) / HARRY, UN AMI QUI VOUS VEUT DU BIEN (仏題)
イン・マイ・スキン (2002) DANS MA PEAU (原題) / IN MY SKIN (英題) 』等)の場合は…。

【ハリー、見知らぬ友人 第02段落】  暑い中、エアコンなしの車で山奥にある別荘へと向かうミシェル一家。余りの暑さに三人の幼い娘たちはむずかり、車を運転するミシェルはそんな子供たちにイライラして怒り、妻のクレール(マティルド・セニエ)もすっかり疲れている。家族全員汗だくだ。

【ハリー、見知らぬ友人 第03段落】  高速のサービスエリアのトイレでミシェルを嬉しそうに見つめるちょっと小太りの男。高校時代の同級生だというその男、ハリー・バレステロ(セルジ・ロペス:
ありふれた愛のおはなし (1999) RIEN A FAIRE (原題) / EMPTY DAYS (英題)
ハリー、見知らぬ友人 (2000) WITH A FRIEND LIKE HARRY (米題) / HARRY IS HERE TO HELP (米題) / HARRY, UN AMI QUI VOUS VEUT DU BIEN (仏題)
シェフと素顔と、おいしい時間 (2002) DECALAGE HORAIRE (原題) / JET LAG (英題) 』『 堕天使のパスポート (2002) DIRTY PRETTY THINGS
歌え!ジャニス・ジョップリンのように (2003) JANIS ET JOHN (原題) / JANIS AND JOHN (英題) 』等)は、ミシェルとの偶然の再会に本当に嬉しそうだが、当のミシェルは彼のことを全く覚えていない。

【ハリー、見知らぬ友人 第04段落】  現在パリで日本人にフランス語を教えている、三人の娘のしがない父親であるミシェルに対して、ハリーは恋人とスイスへヴァカンスに行くという優雅な生活ぶりだ。金持ちだった父親の死後は財産管理をして暮らしているそうだ。また、ハリーの車はベンツで、エアコンも無いミシェルのポンコツ車とは大違い。それにグラマラスなハリーの恋人プリュンヌ(ソフィー・ギルマン)と生活に疲れ果てたミシェルの妻クレールも対照的だ。ミシェルに対する懐かしさからか、スイスに遠回りになるにも拘らず、ハリーは迷惑も顧みずにミシェルたちの別荘に立ち寄ることにする。

【ハリー、見知らぬ友人 第05段落】  5年前に買ったという別荘は、ミシェル自身が修理をしているからか、未だにボロボロだ。しかし、二階のバスルームだけが新しく改装されている。それもピンク色に。ミシェルの両親が息子家族を驚かせるために内緒でしたことだった。クレールとミシェルは勝手に自分たちの趣味とは違うバスルームにされたことが不満だ。ミシェルは父親に抗議の電話をかけるが、結局は「とてもよくできてる」と言ってしまう。

【ハリー、見知らぬ友人 第06段落】  夜、ミシェル夫婦とプリュンヌに昔話をするハリー。なんと彼の高校時代の彼女アデルは、ミシェルも付き合ったことのある女の子だった。彼女からミシェルの話ばかり聞かされてウンザリしたよと話すハリー。そして、アデルから聞かせてもらったという、高校の文集に載ったミシェルの詩を暗誦しだす。「夜の肌の大きな短刀」という題の詩は、自慰のことを詠った風変わりな詩だ。ハリーはこの詩を名作だと絶賛。日頃プリュンヌにも読んであげているらしい。その上、自分が読んだものの中で一番素晴らしいと、高校時代のミシェルのSF小説「空飛ぶサル」のことも話すハリー。未だに高校時代の、それも親しくもなかった他人の詩や小説のことをしっかりと覚えているハリーを奇妙に思うミシェルだが、忘れていた自分の才能を褒めちぎってもらい、何だかくすぐったいような気持ちになる。ミシェルの作家としての才能を信じるハリーは、客用寝室にランプを持ってきた彼に経済的援助を申し出る。もちろんミシェルは断るが、日常の生活の犠牲となり、置き去りにしてきた感情が彼の心の中に甦りはじめる…。

【ハリー、見知らぬ友人 第07段落】  子供が落ちると危ないので、4〜5メートルの深さがあるタンクに土を埋める作業をしているミシェル。機械を使わない手作業のおかげで3年前からの約束にも拘わらず、まだまだタンクは埋まっていないようだ。そこにクレールから電話がかかってくる。ついにポンコツ車が動かなくなったらしいのだ。ミシェルはハリーのベンツに乗せてもらって彼女を迎えにスーパーの駐車場に行く。車を修理に出さなければならないミシェルは、今すぐハリーに別荘に送ってもらうようにクレールに言うが、「まだ買い物が終わっていない」と彼女はイラついた口調で反対する。先に子供たちを送ってからもう一度クレールを迎えにくるとハリーが提案してくれたおかげで、問題は解決した。

【ハリー、見知らぬ友人 第08段落】  迎えにきたハリーの車の中で、幸せでも不幸でもなくただ疲れたと、クレールはミシェルとの生活を語る。別荘の修理は遅々として進まず、三人の娘の育児はたいへん。二人の気持ちが移って子供達までがイライラし、より険悪になる。その解決策としてミシェルの両親に子供を預けてみたがムダだったというクレールに、ハリーは「それは解決策とはいわない」と車を別荘とは別の方向に向かわせた。

【ハリー、見知らぬ友人 第09段落】  ハリーの考えた一つ目の解決策はエアコン付きの大きな車を買うことだ。自動車販売店(三菱の看板が上がっている店だけど、車は三菱じゃないみたい)にクレールを連れてきたハリーは、「この赤、彼は好きかな?君はどう?」と赤の四駆のそばに立つ。ハリーはミシェルに車を買ってあげるつもりなのだ。クレールは度を過ぎたプレゼントだともちろん断るが、ハリーは「すべては解決策がある」と車を買ってしまう。

【ハリー、見知らぬ友人 第10段落】  ハリーはいいことをしたと自信満々だが、赤い四駆のおかげでミシェルとクレールがギクシャクしている時に、ミシェルの父親から電話がかかってくる。本当はヴァカンスで別荘にやって来る途中に、両親の家に立ち寄るつもりだったが、暑さで家族全員が疲れてしまい、後日訪ねることにしていたのだ。明日がその訪問日であったが、一番下の娘イリスが中耳炎に罹ったため、行けなくなってしまった。そのことをミシェルは電話で伝えるが、息子夫婦や孫に会いたい両親は、車を運転してやってくると言う。心臓病で車の運転を禁止されている父親を心配したミシェルは、訪れられるのは面倒だが、両親を迎えに行くと約束をする。そんなミシェルに「お人よしのバカ!」と怒るクレール。

【ハリー、見知らぬ友人 第11段落】  夜、台所に下りてきたミシェルは、上半身裸でじっとテーブルについているハリーを見る。彼は生卵を飲んでいたのだ。ハリーにはプリュンヌとベッドを共にした後に、精力がつくからと生卵を飲む習慣があった。クレールと親の間を右往左往しているミシェルに、皆を満足させるのは無理だ、時には選択も必要だと助言する。しかし、バランスが必要だと言うミシェルに、ハリーはアンバランスの中で才能は花開くと反論する。自分の文才を信じてくれるハリーにミシェルは徐々に友情を感じてきたのかもしれない。明日からホテルで泊まるというハリーに、このまま自分たちの別荘で泊まってもいいとミシェルは言う。

【ハリー、見知らぬ友人 第12段落】  快適な赤い四駆に乗って、両親を迎えに行くミシェルは、上機嫌に鼻歌を歌っている。ミシェルの父親は歯科医だった。高校時代、ハンドの試合で歯を折ったハリーを治療したことがある。両親は高級かと思えるマンションに住んでいた。訪れた息子の歯を診てやりながら、父親は息子の夫婦仲を心配する。電話をかけたときクレールの声が苛立っていたのを気にしているのだ。 34 歳になっても息子は息子なのだろうが、ちょっと過保護。また、ミシェルの母親は年のせいなのかなんだか嫌味っぽい人。クレールがあまり来たがらないのも無理はないといった感じだ。知的階級の家庭で過保護に育てられたミシェルは、両親の目色顔色を窺って成長してきたのかもしれない。

【ハリー、見知らぬ友人 第13段落】  別荘にやって来たミシェルの両親は、ハリーとプリュンヌとも会う。赤い四駆はハリーから借りているとミシェルから聞かされていた両親に、ハリーはミシェルの車だと言う。驚いて自分を見る両親に、交渉中だと答えるミシェル。なんだか四駆が気に入らないような両親に、ハリーはイライラし、気分が悪いとプリュンヌと一緒にミシェルの別荘を出て行く。曲がりくねった山道を猛スピードでベンツを走らせ、お城を改装した高級ホテルに入って行く。ハリーはイライラした気持ちをプリュンヌの身体で慰めてもらうが、彼の心には二つ目の解決策が…。

【ハリー、見知らぬ友人 第14段落】  夜、ベッドで眠っているプリュンヌにキスをしてホテルの部屋から出たハリーは、ホテルに出入りする業者の車にこっそりと乗り、どこかへ向かっていった。夜遅くに鳴る玄関のブザー。ミシェルの両親のマンションである。ミシェルの父親がインターフォンに出ると、それはハリーだった。ミシェルを助けたいなら、車で着いてくるように言うハリー。息子想いのミシェルの両親は、ハリーの言うことを鵜呑みにしてしまう。暗い山道をハリーの車の後について行く。するといつのまにか前方にハリーの車が見えなくなった。訝しがっていると、後ろから物凄い速さで追ってくる車が…。

【ハリー、見知らぬ友人 第15段落】  翌日ミシェルの別荘で彼らと一緒に過ごすハリーとプリュンヌ。そこに電話が鳴る。カーブを切りそこねて谷底に車が転落し、ミシェルの両親が亡くなったという知らせだった。現場に行ってみるというミシェルに、「僕が送ろうか?」と親切に言うハリーはどこか嬉しそうだ。

【ハリー、見知らぬ友人 第16段落】  ハリーとミシェルはミシェルの両親のマンションで一晩を過ごす。ミシェルは夢を見た。父親の診療室で立っているミシェルにむかって、頭にプロペラのついた手長ザル、「空飛ぶサル」が飛んでくる。泣き叫ぶサルの声にうなされ、ミシェルは目覚める。ミシェルはダンボール箱を開けた。中には高校時代の文集が入っている。一冊手にとり、昔自分が書いた小説「空飛ぶサル」を読むミシェル。顔には笑みがこぼれている。「…いいぞ、そうだ、その調子だ」ミシェルの様子をドアの隙間からこっそり窺っているハリー。

【ハリー、見知らぬ友人 第17段落】  クレールと電話で話してから、ミシェルが自分の部屋に戻ってくると、ベッドに座って高校の文集に目を通しているハリーがいた。文集にざっと目を通したというミシェルに、ハリーは「空飛ぶサル」の続きを書くように勧める。自分の父親の死後、気分がよくなり精気がみなぎったというハリーは、両親の死は前に進む最高のチャンスだとミシェルに話す。書くなら金を払うというハリーに、ミシェルは、今は考えたくない、君の言うことは分からないと、彼を自分の部屋から出す。「クソ!」と廊下で呟くハリー。

【ハリー、見知らぬ友人 第18段落】  別荘に戻ったミシェルは、両親が改装してくれたピンクのバスルームで「空飛ぶサル」の続きを書こうとしたが、眠りこけてしまう。紙には題名しか書かれていない。

【ハリー、見知らぬ友人 第19段落】  両親のお葬式のあと、ハリーはクレールからミシェルの弟エリックを別荘に送ってくれるように頼まれる。両親の死で実家に戻ってきたエリックは、ちょっと長髪でアバンギャルドな雰囲気(一言でいえば、気持ち悪い)で、ミシェルと感じが全然違う。両親の死で最初はヘコんでいたのに、火葬場で棺を見てから心がウキウキするようになったと助手席で話すエリック。ハリーはエリックのことを快く思っていないようである。そしてエリックが両親のマンションから持ってきたミシェルの高校の文集を取り出し、例のあの詩「夜の肌の大きな短刀」を笑って読み出したとき、その不快感は最高潮に達した。

【ハリー、見知らぬ友人 第20段落】  別荘に戻ってきたハリーのベンツにはエリックは乗っていない。ハリーの話によると、ミシェルの話をしていたら「家族なんかうんざりだ、家に帰る」と急に怒り出してエリックは車を降りたらしい。「またか、困った奴だ」とミシェルはクレールにエリックの携帯電話に電話をかけるように頼む。「携帯…」とハッとしたハリーが車のところに戻ってトランクを開けると、エリックの死体が…。彼の上着から携帯電話を取り出すと、ちょうど電話が鳴り始める。ハリーは携帯電話を叩いて壊した。そして疲れたからと、プリュンヌを連れてホテルへと戻る。

【ハリー、見知らぬ友人 第21段落】  その晩も、ミシェルはピンクのバスルームで便器に腰掛けながら、「空飛ぶサル」の続きを考えていた。しかし、ちっとも筆は進まない。そこにミシェルを心配するクレールが入ってくるが、彼は彼女を部屋から追い出す。ドアの外から「どうしたの?」と心配するクレールに、「うるさい!君がわめくと何もできない」と怒鳴るミシェル。

【ハリー、見知らぬ友人 第22段落】  翌日、ハリーたちの滞在するホテルにクレールが子供たちを連れてやって来た。プリュンヌはまだベッドで寝ている。ミシェルが異常にイラついてバスルームで「空飛ぶサル」の続きを書こうとしているのは、ハリーの影響だと思っているクレールは、ハリーに「もう家に来ないで」と告げる。「君の反応は残念だ」と答えるハリー。

【ハリー、見知らぬ友人 第23段落】  その夜、ハリーとプリュンヌはシャンパンと子供たちへのプレゼントを持ってミシェルの別荘を突然訪れた。3つのプレゼントの箱を抱えたプリュンヌは子供たちにキスがしたいとクレールと一緒に先に家の中に入っていった。ハリーはミシェルに言う。ミシェルの人生の邪魔をしているのはクレールと子供たちだと。反論しようとミシェルは「プリュンヌはアホで君のお荷物だから、別れろって言ったか?他人の問題には口を出すな」と思わず言ってしまう。それを聞いたハリーは考え込む。「本当にアホだと?」と聞くハリーに、自分の本意ではないとミシェルは否定するがもう遅かった。

【ハリー、見知らぬ友人 第24段落】  食卓でクレールの料理を食べる4人。料理は苦手だと話すプリュンヌを見るハリーの視線は冷たい。そしてミシェルがプリュンヌをどうしようもないアホだと言ったと皆の前で話す。悲しくなったプリュンヌは2階へ上がってしまった。ミシェルはプリュンヌを慰めに彼女の後を追う。プリュンヌはピンクのバスルームで灯りを消したまま泣いていた。中に入って電気をつけたミシェルは、プリュンヌに取り繕うとするが、涙に濡れる魅力的な彼女に思わずキスをしてしまう。プリュンヌに押しのけられ、「みんなどうかしているぞ」と我に返るミシェル。そこにちょうどやってきたクレールは二人の気まずい雰囲気を感じ取ったようである。ハリーは独りで帰ってしまった。プリュンヌは寝るために客室へと階段を上がって行く。

【ハリー、見知らぬ友人 第25段落】  冷蔵庫を開け、卵を見つめるミシェル。その官能的な丸い輪郭にミシェルはプリュンヌを感じたにちがいない。客室のベッドで眠るプリュンヌをじっと見続けた後、創作意欲を掻き立てられたミシェルは、ピンクのバスルームにこもり、「空飛ぶサル」の続編ではなく、「たまご」と題した新しい作品を書き始める。

【ハリー、見知らぬ友人 第26段落】  物音にハッとするミシェルが、階下を調べに行くと、ハリーが台所で探しものをしていた。彼は道で事故にあったらしく、歩いてきたそうだ。白いビニール袋を見つけると、それを持ってプリュンヌの部屋へと上がって行く。ミシェルは彼女を寝かせておいてあげろとハリーの後を追う。しかし、ミシェルはベッドに永遠に目覚めることのないプリュンヌを見た。「君の言うとおり厄介者だ」と言うハリーは、汚れないようにと、血だらけのプリュンヌの頭に持ってきた袋を被せ、彼女の腕を抱えて下まで運んで行こうとする。足が階段に当たって音が鳴るので、ミシェルにも死体を運ぶのを手伝わせる。二人でプリュンヌを運んでいる途中、ミシェルの2番目の娘サラが眠れないとミシェルを呼んだ。ミシェルはプリュンヌの足を置いて、廊下に出ていたサラを部屋の中へと入れた。部屋から出てはいけないと娘に忠告を与える。・・・

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◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【ハリー、見知らぬ友人 第27段落】  ミシェルが外に出ると、ハリーがプリュンヌをタンクに入れるところだった。ミシェルが埋めるように言われていたあのタンクである。プリュンヌをタンクに落とすと、ハリーはまた別荘の中に入り、引き出しのナイフを物色し始めた。そして「クレールを頼む、僕は子供たちを」と一本のナイフをミシェルに渡した。黙っているミシェルに「僕が全員を?」と語りかけ、階段を上がって行こうとするハリー。ミシェルは彼を制止するため、ナイフを彼に突き刺した。「なぜだ?」とハリーは倒れていく。

【ハリー、見知らぬ友人 第28段落】  ミシェルはプリュンヌとハリーの死体を入れたタンクに一晩かかって土を埋めた。朝、作業を終えたミシェルが顔を洗っていると、クレールが起きてきた。ミシェルのひどい顔色を見て心配するクレールに、眠れなかったからタンクを埋めたとミシェルは返事をする。そしてプリュンヌは迎えに着たハリーと一緒に帰ったと話す。疲れているのに自分のしたことを考えると目が冴えるミシェルだったが、何時の間にかベッドで熟睡する。

【ハリー、見知らぬ友人 第29段落】  「パパー!」花束を持った娘達とクレールがミシェルの眠る寝室に入ってきた。ベッドに飛び乗るジャンヌ(長女)とサラにキスをするミシェル。クレールはミシェルの書いた「たまご」がすごくよかったと、これからも小説を書いていいと認めてくれた。そんな彼女にミシェルは今まで自分が不機嫌だったことを詫びる。「Je t’aime.(愛してるよ)」「Moi aussi.(私もよ)」と二人の愛は復活した。

【ハリー、見知らぬ友人 第30段落】  ヴァカンスが終わり、高速をパリへと向かうミシェル一家。エアコンのある赤い大型車に乗った彼らは来た時と状況が全く違う。適度な温度で子供たちもクレールもスヤスヤ眠っている。そして、ミシェルの書いた「たまご」がクレールの膝の上に大事そうに置かれている。幸せを感じるミシェル。

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【映画『 ハリー、見知らぬ友人 』のスタッフ】

 衣裳デザインは、
犯罪の風景 (2000) SCENE DE CRIMES (原題) / CRIME SCENES (英題) 』等のヴィルジニー・モンテル Virginie Montel 、
配役は
8人の女たち (2002) 8 FEMMES (原題) / 8 WOMEN (英題)
スイミング・プール (2003) SWIMMING POOL 』等のアントワネット・ブーラ Antoinette Boulat 、
美術は
リード・マイ・リップス (2001) SUR MES LEVRES (原題) / READ MY LIPS (英題)
リトル・トム (2001) LE PETIT POUCET (原題) / TOM THUMB (英題) 』等のミシェル・バルテルミー Michel Barthelemy が手掛けている。

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【映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の感想】

【映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の感想 第01段落】  「フランス人はタダが好き。」
 最近、フランスからの留学生と話をする機会がありました。この言葉は彼の名言です。私はフランス語を勉強しているので、いろいろな機会を利用してフランスを学んでいます。フランスに憧れている私にとっては、意外なフランス人自らの言葉です。「日本人は買うのが好き。ルイ・ヴィトン、アニエスb、エルメスは、日本人がいないと潰れてしまいまーすぅ。だから日本人に有難う。」彼曰く、フランスではルイ・ヴィトンはダサいので、フランス人は買わないのだそうです。もちろんフランス人は並ぶのも嫌いです。フランス旅行の記念に、私も必死にヴィトンの本店で並んだ一人なので、彼の理屈から言うと私もダサイことになります。 へへ。

【映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の感想 第02段落】  余談になりましたが、彼からもっと興味深い話を聞きました。タダ( gratuit グラテュイ)好き、つまり合理的な彼らの映画事情です。フランスの大学生は、インターネットでダウンロードして映画を観るらしいのです。日本語のサイトでは詳しく知りませんが、海外にはタダで映画をダウンロードできるサイトがたくさんあるそうです。アメリカ人やカナダ人がカナダのフランス語圏の人たち用に作ったフランス語字幕・吹き替えのDVDやビデオを、ネットを通じてタダで観るというのが、コンピュータを使うフランス人の常識のようです。まさにこの映画の内容ズバリのように感じました。

【映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の感想 第03段落】  土を運ぶのに「パワーシャベルを使ったら?」と言うハリーは、フランス人だけど物質国家アメリカを現した人物です。UN AMI QUI VOUS VEUT DU BIEN(いい事をしてくれる友達)という題からして、アメリカに対する嫌味です。さすがフランス映画。世界各地に起こる様々な紛争に対して、世界のリーダーたらんとして介入して行くアメリカを皮肉っています。その強引なアメリカ外交のように、ハリーは「何でも解決策がある」とミシェルにとっての邪魔ものを次々と殺していきます。頭は足りないけどセクシーで魅力的な恋人プリュンヌも、もちろんフランス人ではありますがヨーロッパ人が連想するアメリカ人女性のタイプなのかなと思います。(彼女はハリーを隠語であるディックと呼び、彼女自身の名前も隠語です。何だか面白い。)精力的で経済的にも豊かで、好きな車もベンツや四駆といった大型車(フランス人は後ろが丸くなった車が好きだと思います。フランスで見た車は、ほとんどルノーやプジョー、シトローエンといった国産の後ろの丸い車でした)、そして効率を追及するハリーは、アメリカ人っぽいです。

【映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の感想 第04段落】  体にいいからと手作業で土を運ぶミシェルは、精神国家フランスを現した人物。親、妻、子供などを大切にするために、自分の夢までも忘れていたミシェルは、色々な国の思惑の中で意思決定していかなければならない、EUの長フランスの苦悩を思わせます。妻のクレールもまさにフランス女性といった感じ?口うるさい割りに、働かない。夜に子供がぐずっても、起きて面倒を見に行くのは夫のミシェルであるのにちょっと驚き。しかし、これが女性を大切にするというお国柄なら、なおさらフランスに行きたし…。ミシェルの、自分で別荘を改装したり、潰れた車を直そうという Do it yourself の精神は、アメリカ的でもあります。しかし、アメリカ人はそこに機械を採り入れて効率を目指し、フランス人は完成までの過程を楽しもうとするのだと思います。ミシェルは後者の立場なのですが、育児やしがらみのせいで生活に余裕が無いためか、人生が上手くいかないでいます。そんな彼の前に現れたのが、超お節介な友人ハリーです。一般的にフランス人はアメリカ人に批判的です。この映画でもミシェルはハリーのことを覚えてさえいません。しかし意識さえしていなかった友人は、車をプレゼントしてくれたりと、自分を小説家にしようと様々な解決策を実践してくれます。その物凄いお節介のお陰で、ミシェルは最終的に幸せを得ますが、彼は一言も車のお礼を言ってませんし、挙句の果てにハリーを殺してしまいます。この仕草は、まさにしたたかな国フランスをもじっているように私には感じます。アメリカにしんどい事をさせておいて、おいしい所はいただこうという国の姿勢というんですか…。スミマセン、言いすぎました。私はフランスにケチをつけているのではなくて、大好きな国フランスの一面を学べたと、その留学生に感謝さえしています。この映画を観て、もっとフランスが好きになりました。

【映画『 ハリー、見知らぬ友人 』の感想 第05段落】  アメリカが作ったソフトをインターネットでタダでいただくという学生達の、まさしく「フランス人はタダが好き」という合理的な姿勢は、私のこの映画への理解を一層深めてくれました。

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず10181文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
      CinemaClock.com
      AlloCine : Cinema
      セテラ・インターナショナル
■映画『 ハリー、見知らぬ友人 WITH A FRIEND LIKE HARRY 』の更新記録
2002/11/07新規: ファイル作成
2004/07/11更新: ◆テキストとリンク一部およびファイル書式
2005/03/16更新: ◆一部テキスト追記と書式変更
2006/06/06更新: ◆リンク追加
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幸田 幸
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