ガープの世界
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ガープの世界 (1982)
THE WORLD ACCORDING TO GARP
 映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』をレヴュー紹介します。

 映画『 ガープの世界 THE WORLD ACCORDING TO GARP 』を以下に目次的に紹介する。
■映画『 ガープの世界 (1982) 』のポスター、予告編および映画データ
■映画『 ガープの世界 THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の解説
 ネタばれをお好みでない方はこの解説をご覧下さい。
■映画『 ガープの世界 THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の主なスタッフ
■映画『 ガープの世界 THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の主なキャスト
■映画『 ガープの世界 THE WORLD ACCORDING TO GARP 』のトリビア
■映画『 ガープの世界 THE WORLD ACCORDING TO GARP 』のスタッフとキャスト
■映画『 ガープの世界 THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の<もっと詳しく>
 <もっと詳しく>は映画『 ガープの世界 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー(あらすじとネタバレ)です。※ご注意:映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の内容やネタバレがお好みでない方は読まないで下さい。
■映画『 ガープの世界 THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の感想
■映画『 ガープの世界 THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の更新記録

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幸の鑑賞評価: 8つ星 
■映画『 ガープの世界 (1982) 』のポスター、予告編および映画データ
ガープの世界
ガープの世界
上映時間 Runtime: 2:17
製作国 Country: アメリカ USA
製作会社
Production Company:
Pan Arts Productions
Warner Bros. [us]
全米配給会社 Distributer: Warner Bros. [us]
Warner Home Video [us] (USA) (DVD)
Warner Home Video [us] (USA) (laserdisc)
全米初公開 Release Date: 1982/07/23
日本初公開 R. D. in Japan: 1983/10
日本公開情報 : ワーナー
ジャンル Genre: コメディ/ドラマ/ロマンス
Comedy / Drama / Romance
MPAA Rating 指定: R
日本語公式サイト 調査中
●スチルはnostalgia.com、予告編はcinemaclock.comより許諾をえて使用しています。
Filmography links and data courtesy of The Internet Movie Database & Nostalgia.com.
Filmography links and data courtesy of CinemaClock Canada Inc.
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■映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の解説

 映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』は、現代アメリカ文学の巨匠ジョン・アーヴィングの自伝的長編の映画化。『 スティング (1973) THE STING 』でアカデミー監督賞を受賞したジョージ・ロイ・ヒル監督作品だ。時代に先立ったフェミニスト・リーダーであったガープの母親ジェニーを演じたグレン・クローズ、彼女を敬愛する元フットボール選手(男)の女性ロバータを演じたジョン・リスゴーがそれぞれアカデミー賞にノミネートされた。
 大戦中、“肉欲”を拒否する看護師のジェニーは、妊娠するためだけに、瀕死の兵隊と一度だけ関係する。そうして誕生したのが主人公のT・S・ ガープ。父親への想いから、レスリングを始め、父親についてあれこれ想ううちに、空想好きな少年に成長。大きくなったガープ(ロビン・ウィリアムズ)は、作家を志す。しかし、『性の容疑者』というジェニーの自伝が先に大ベストセラーになり…。性的に極端な人々を媒体にしながら、狂気と悲しみに溢れるガープの世界をユーモラスに描く。

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■映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の主なスタッフ

○『 ガープの世界 』の監督&製作: ジョージ・ロイ・ヒル ( 1921-2002 )
『 明日に向って撃て! (1969) BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID 』< 1970 年アカデミー監督賞ノミネート>
『 スローターハウス5 (1972) SLAUGHTERHOUSE-FIVE 』< 1972 年カンヌ国際映画祭審査員賞受賞>
『 スティング (1973) THE STING 』< 1974 年アカデミー監督賞受賞>
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

○『 ガープの世界 』の製作: ロバート・L・クロフォード
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

○『 ガープの世界 』の製作総指揮: パトリック・ケリー ( 1919-1999 )
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

○『 ガープの世界 』の原作: ジョン・アーヴィング
サイダーハウス・ルール (1999) THE CIDER HOUSE RULES 』< 2000 年アカデミー脚色賞受賞>
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

○『 ガープの世界 』の脚本: スティーヴ・テシック ( 1942-1996 )
『 ヤング・ゼネレーション (1979) BREAKING AWAY 』< 1980 年アカデミー脚本賞受賞>
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

○『 ガープの世界 』の撮影: ミロスラフ・オンドリチェク
『 ラグタイム (1981) RAGTIME 』< 1982 年アカデミー撮影賞ノミネート>
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』
『 アマデウス (1984) AMADEUS 』< 1985 年アカデミー撮影賞ノミネート>
レナードの朝 (1990) AWAKENINGS 』等

○『 ガープの世界 』の編集: ロナルド・ルース
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

○『 ガープの世界 』の編集: スティーヴン・A・ロッター
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』
『 ライトスタッフ (1983) THE RIGHT STUFF 』< 1984 年アカデミー編集賞受賞>
アメリカン・スウィートハート (2001) AMERICA'S SWEETHEARTS

○『 ガープの世界 』の美術: ヘンリー・バムステッド
『 めまい (1958) VERTIGO 』< 1959 年アカデミー美術監督・装置賞ノミネート>
『 アラバマ物語 (1962) TO KILL A MOCKINGBIRD 』< 1963 年アカデミー美術監督・装置賞受賞>
『 スティング (1973) THE STING 』< 1973 年アカデミー美術監督・装置賞受賞>
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』
『 許されざる者 (1992) UNFORGIVEN 』< 1993 年アカデミー美術監督賞ノミネート>
スペース カウボーイ (2000) SPACE COWBOYS
ブラッド・ワーク (2002) BLOOD WORK
ミスティック・リバー (2003) MYSTIC RIVER
ミリオンダラー・ベイビー (2004) MILLION DOLLAR BABY 』等

○『 ガープの世界 』の衣装: アン・ロス
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』
『 プレイス・イン・ザ・ハート (1984) PLACES IN THE HEART 』< 1985 年アカデミー衣装デザイン賞ノミネート>
イングリッシュ・ペイシェント (1996) THE ENGLISH PATIENT 』< 1997 年アカデミー衣装デザイン賞受賞>
マーシャル・ロー (1998) THE SIEGE
リプリー (1999) THE TALENTED MR. RIPLEY 』< 2000 年アカデミー衣装デザイン賞受賞>
チェンジング・レーン (2002) CHANGING LANES
サイン (2002) SIGNS
アダプテーション (2002) ADAPTATION
めぐりあう時間たち (2002) THE HOURS 』< 2003 年アカデミー衣装デザイン賞受賞>
コールド マウンテン (2003) COLD MOUNTAIN
ステップフォード・ワイフ (2004) THE STEPFORD WIVES
ヴィレッジ (2004) THE VILLAGE
クローサー (2004) CLOSER 』等

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■映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の主なキャスト

☆ロビン・ウィリアムズ as T・S・ ガープ
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』
『 グッドモーニング,ベトナム (1987) GOOD MORNING, VIETNAM 』< 1988 年アカデミー主演男優賞ノミネート>
『 いまを生きる (1989) DEAD POETS SOCIETY 』< 1990 年アカデミー主演男優賞ノミネート>
レナードの朝 (1990) AWAKENINGS
『 フィッシャー・キング (1991) THE FISHER KING 』< 1992 年アカデミー主演男優賞ノミネート>
『 グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち (1997) GOOD WILL HUNTING 』< 1998 年アカデミー助演男優賞受賞>
パッチ・アダムス (1998) PATCH ADAMS
インソムニア (2002) INSOMNIA
ストーカー (2002) ONE HOUR PHOTO
デス・トゥ・スムーチー (2002) DEATH TO SMOOCHY
ロボッツ (2005) ROBOTS 』等

☆メアリー・ベス・ハート as ヘレン
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』
レッド・ドラゴン (2002) RED DRAGON 』(uncredited)等

☆グレン・クローズ as ジェニー・フィールズ(ガープの母)
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』< 1983 年アカデミー助演女優賞ノミネート>
『 再会の時 (1983) THE BIG CHILL 』< 1984 年アカデミー助演女優賞ノミネート>
『 ナチュラル (1984) THE NATURAL 』< 1985 年アカデミー助演女優賞ノミネート>
『 危険な情事 (1987) FATAL ATTRACTION 』< 1988 年アカデミー主演女優賞ノミネート>
『 危険な関係 (1988) DANGEROUS LIAISONS 』< 1989 年アカデミー主演女優賞ノミネート>
マーズ・アタック! (1996) MARS ATTACKS! 』
エアフォース・ワン (1997) AIR FORCE ONE
ル・ディヴォース/パリに恋して (2003) LE DIVORCE
ステップフォード・ワイフ (2004) THE STEPFORD WIVES 』等

☆ジョン・リスゴー as ロバータ・マルドゥーン
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』< 1983 年アカデミー助演男優賞ノミネート>
『 愛と追憶の日々 (1983) TERMS OF ENDEARMENT 』< 1984 年アカデミー助演男優賞ノミネート>
シュレック (2001) SHREK
ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方 (2004) THE LIFE AND DEATH OF PETER SELLERS 』等

☆ヒューム・クローニン ( 1911-2003 ) as フィールズ氏(ジェニーの父)
『 THE SEVENTH CROSS (1944) 』< 1945 年アカデミー助演男優賞ノミネート>
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

 実際でもジェシカ・タンディとは彼女が 1994 年に亡くなるまで仲のいい夫婦だった。二人には二人の子供がいて、その一人が女優のタンディ・クローニン Tandy Cronyn だ。

☆ジェシカ・タンディ ( 1909-1994 ) as フィールズ夫人(ジェニーの母)
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』
『 ドライビング Miss デイジー (1989) DRIVING MISS DAISY 』< 1990 年アカデミー主演女優賞受賞>
『 フライド・グリーン・トマト (1991) FRIED GREEN TOMATOES 』< 1992 年アカデミー主演女優賞ノミネート>等

☆スウージー・カーツ as 売春婦
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』
ルールズ・オブ・アトラクション (2002) THE RULES OF ATTRACTION
おまけつき新婚生活 (2003) DUPLEX 』』等

☆ジェームズ・マコール as 子供時代のガープ
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

☆マーク・ソーパー as マイケル・ミルトン
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

☆ネイサン・バブコック as ダンカン(ガープとヘレンの長男)
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』

☆イアン・マグレガー as ウォルト(ガープとヘレンの次男)
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』

☆ブランドン・マガート as アーニー・ホルム(ヘレンの父)
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

☆ジェニー・ライト as クッシィ
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

☆ブレンダ・カリン as プー
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

☆ジュリアン・ロス as 子供時代のクッシィ 
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

☆ローリー・ロビン as 子供時代のプー
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

☆アマンダ・プラマー as エレン・ジェームズ
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』
GO!GO!L.A. (1998) L.A. WITHOUT A MAP 』
KEN PARK (2002) KEN PARK
死ぬまでにしたい10のこと (2003) MY LIFE WITHOUT ME 』等

☆サブリナ・リー・ムーア as ベビーシッター
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』等

☆イヴ・ゴードン as マージ・トールワース
『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』
デンジャラス・ビューティー2 (2005) MISS CONGENIALITY: ARMED AND FABULOUS 』等

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■映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』のトリビア

(^ー^*) 原作者のジョン・アーヴィングが、レスリングの試合のレフリーとしてカメオ出演している。

(^ー^*) 監督のジョージ・ロイ・ヒルが、家に衝突した飛行機のパイロットとしてカメオ出演している。
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【『 ガープの世界 』のスタッフとキャスト】
監督: ジョージ・ロイ・ヒル George Roy Hill (Directed by)
製作: ジョージ・ロイ・ヒル George Roy Hill (producer)
    ロバート・L・クロフォード Robert L. Crawford (producer)
製作総指揮: パトリック・ケリー Patrick Kelley (executive producer)
原作: ジョン・アーヴィング John Irving (novel)
脚本: スティーヴ・テシック Steve Tesich (Writing credits)
撮影: ミロスラフ・オンドリチェク Miroslav Ondricek (Cinematography by)
編集: ロナルド・ルース Ronald Roose (Film Editing by)
    スティーヴン・A・ロッター Stephen A. Rotter (Film Editing by)
美術: ヘンリー・バムステッド Henry Bumstead (Production Design by)
衣装: アン・ロス Ann Roth (Costume Design by)
 
出演: ロビン・ウィリアムズ Robin Williams as T. S. Garp
    メアリー・ベス・ハート Mary Beth Hurt as Helen Holm
    グレン・クローズ Glenn Close as Jenny Fields
    ジョン・リスゴー John Lithgow as Roberta Muldoon
    ヒューム・クローニン Hume Cronyn as Mr. Fields
    ジェシカ・タンディ Jessica Tandy as Mrs. Fields
    スウージー・カーツ Swoosie Kurtz as The Hooker
    ジェームズ・マコール James McCall as Young Garp
    マーク・ソーパー Mark Soper as Michael Milton
    ネイサン・バブコック Nathan Babcock as Duncan
    イアン・マグレガー Ian MacGregor as Walt
    ブランドン・マガート Brandon Maggart as Ernie Holm
    ジェニー・ライト Jenny Wright as Cushie
    ブレンダ・カリン Brenda Currin as Pooh
    ジュリアン・ロス Jillian Ross as Young Cushie
    ローリー・ロビン Laurie Robyn as Young Pooh
    アマンダ・プラマー Amanda Plummer as Ellen James
    サブリナ・リー・ムーア Sabrina Lee Moore as Babysitter
    イヴ・ゴードン Eve Gordon as Marge Tallworth

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<もっと詳しく>

ストーリー展開の前知識やネタバレがお好みでない方は、読まないで下さい。
■映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の「テキストによる映画の再現」レヴュー

【ガープの世界 第01段落】  かわいい白人の赤ちゃんが、青い空を背景に画面を上下する。BGMは以下の楽しい曲。

♪ WHEN I'M SIXTY-FOUR ♪by The Beatles

When I get older, losing my hair, many years from now, (これから何年も経って僕が年をとって、ハゲた時)
Will you still be sending me a Valentine, birthday greetings, bottle of wine? (君はまだ僕にバレンタインやバースデイカード、ワインのボトルを贈ってくれているかな?)
If I'd been out 'till quarter to three, would you lock the door?(僕が 3 時 15 分前まで外出してたら、君は僕を閉め出すだろうか?)
Will you still need me, will you still feed me,(君はまだぼくを必要としてくれているだろうか、僕を養ってくれるだろうか)
When I'm sixty-four?(僕が 64 歳になった時)

Hmm------mmm---mmmh.(ん…)
You'll be older, too.Aaah, and if you say the word, I could stay with you.(君も年をとるだろう。そして君がそうしてもいいと言うなら、僕は君と一緒にいるよ。)

I could be handy, mending a fuse, when your lights have gone.(電気がとんだら、僕はヒューズを直すし、便利だよ。)
You can knit a sweater by the fireside, sunday mornings, go for a ride.(君は暖炉のそばでセーターを編めるし、日曜日の朝はドライブに行くことだってできる。)
Doing the garden, digging the weeds, who could ask for more?(庭仕事もするし、雑草も取るよ。)
Will you still need me, will you still feed me, when I'm sixty-four?(僕が 64 歳になった時、君はまだぼくを必要としてくれているだろうか、僕を養ってくれるだろうか)

Every summer we can rent a cottage in the Isle of Wight, if it's not to dear.(毎年夏にはワイト島のコテージを借りようよ。)
We shall scrimp and save.(節約して貯金しようね。)
Ah, grandchildren on your knee, Vera, Chuck, and Dave.(膝に孫を抱いて。ヴェラとチャックとデイヴだよ。)

Send me a postcard, drop me a line stating point of view.(※映画では流れない。)
Indicate precisely what you mean to say, yours sincerely wasting away.(※映画では流れない。)

Give me your answer, fill in a form, mine forever more.(僕に答えをおくれ。結婚届に記入して、いつまでも僕のものでいておくれ。)
Will you still need me, will you still feed me, when I'm sixty-four?(僕が 64 歳になった時、君はまだぼくを必要としてくれているだろうか、僕を養ってくれるだろうか)

※日本語訳は私の勝手な訳です。

 赤ちゃんが画面を上下していたのは、母親のジェニー(グレン・クローズ)が青空の下の浜辺で赤ちゃんを放り上げていたから。ジェニーは赤ちゃんを抱いて、海辺の立派な家に向かって歩いて行った。

【ガープの世界 第02段落】  家の中。ジェニーの両親(ヒューム・クローニンジェシカ・タンディ)は、父親のいない孫息子を連れて来た娘に戸惑い、怒っている。娘を汚した殺したいほど憎い男は、第二次世界大戦中にすでに死んでしまっていた。さらに両親を戸惑わせたのは、ジェニーが赤ちゃん欲しさに自分からすすんでそうなったこと。ジェニーの赤ちゃんの名前はT・S・ ガープ。父親がガープという名の三等軍曹(Technical Sergeant)だったからだ。精子が欲しかったと話す娘ジェニーに、激怒する父。しかし、看護師という仕事を持つ自立した女性のジェニーは、そんな状態に嘆くこともなく、赤ん坊を抱いて颯爽と家を出て行く。緑の芝生を下っていくジェニーに、玄関から父親が「その男は大戦中どっちの側だった?」と大声で尋ねる。ジェニーは相手が病院に運ばれてきた瀕死の兵隊だったことを話し、ある晩自分が彼の上に跨(またが)ったことを淡々と告白。耳の遠い父親にはジェニーの衝撃の告白は聞こえなかったが、しっかり聞き取ってしまった母親は卒倒した(死んじゃった?)。

【ガープの世界 第03段落】  エベレット・スターリング・アカデミー The Everett Sterling Academy という寄宿学校。夜の寝室で、面白がってポルノ雑誌を見ている男の子達。彼らより年下の男の子がその雑誌を奪って、走って部屋を出て行き、急いで別室の赤ん坊のベッドの中にそれを隠した。ポルノ雑誌を奪い返そうと、男の子が追って来た。ちょうどその時、『 メリーに首ったけ (1998) THERE'S SOMETHING ABOUT MARY 』でベン・スティラー Ben Stiller (『 ザ・ロイヤル・テネンバウムズ (2001) THE ROYAL TENENBAUMS 』『 ドッジボール (2004) DODGEBALL: A TRUE UNDERDOG STORY 』等)演じるテッドに起きたトイレでの出来事と同じ悲劇に遭った男の子が、看護師のジェニーに助けを求めて帰って来た。ジェニーに見つかりたくない男の子達は、ジェニーが治療に気を取られている間に、ポルノ雑誌を諦めて慌てて部屋に戻り、ベッドに入った。

【ガープの世界 第04段落】  自分のかわいい赤ちゃんガープがいる部屋に戻ってきたジェニーは、“ Dada (赤ちゃん英語の「パパ」)”と言う赤ちゃんに、“ Mama ”と訂正し、パパは戦死したと話す。赤ん坊のベッドの中にポルノ雑誌を見つけたジェニーは激怒し、彼女が犯人だと思った少年のベッドに懐中電灯を持って押しかける。ポルノ雑誌は見たけど、ガープのベッドに雑誌を入れていない少年だったが、「今度うちの子に汚らわしいものを見せたら、バイ菌を注射してやる…!」と言うジェニーの迫力にぐうの音も出なかった。

【ガープの世界 第05段落】  来年小学校に上がる年頃となったガープ少年(ジェームズ・マコール)は、見たことのない父親を恋しがった。父親を色々想像している内に、空想好きな子供になっている。パイロットだったパパ(ジェニーによると爆撃機の機銃兵で実際はパイロットではない)は背が高かったんだろうか、死んだと思われているけど本当はローン・レンジャー(ガープは“ロング・レンジャー”と言い間違えるが、ジェニーに訂正される。 TV シリーズの西部劇『 ローン・レンジャー (1949〜1957) THE LONE RANGER 』のこと。)みたいに生きているんじゃないだろうか?僕も大きくなったらパイロットになりたいな。就寝前、居間でくつろぎながら小学校での科目選択についてガープに指示するジェニーだが、いつものようにガープからパパについて質問され、いつものように愛想のない返事をする。ジェニーはガープに父親なんて不要だと言うが、ガープには納得がいかないようだ。ジェニーが寝室に行った後も、居間に残ったガープは紙に描いたパパと自分の絵を見て、一緒に空を飛んで悪者と戦うのを想像した。そして朝までそこで眠りこけてしまった。

【ガープの世界 第06段落】  近所の女の子クッシィ(ジュリアン・ロス)と遊ぶガープ。クッシィはませた女の子で、子供の作り方を知っているかとガープに尋ねた。見栄を張って知っていると嘯(うそぶ)いたガープだが、クッシィはガープは父親の居ない私生児だから知らないと言い張った。クッシィによると、「ひどい頭痛だわ。…」と疲れたように振る舞う女性を、男性が押し倒して服を脱がすと子供が産まれるようだ。庭の人目につかない場所で、そういう遊びをしている二人の幼い子供。そんな二人を茂みから見ているのは、クッシィの眼鏡をかけた妹プー(ローリー・ロビン)。プーの横には飼い犬のボクサー(だと思う)、ボンカーズ。プーはボンカーズをガープにけしかけた。クッシィの叫び声と犬の鳴き声に、庭でくつろいでいた父親が急いで駆けつけた。犬に噛まれてガープが耳から血を流している。ところがクッシィとプーの父親は噛まれたのは味がよかったからとジョークを飛ばし、何の責任も感じていない感じ。きっと私生児のガープを見下しているのだろう。ガープは耳を押さえてジェニーの許へ走って帰った。意地悪をしたプーに舌を出すクッシィ。

【ガープの世界 第07段落】  家の暖炉の前で、クッシィの家族はクリスマスの家族写真を撮る準備をしている。カメラのピントを合わしている父親は普段着だが、沢山居る子供達は赤いサンタのようなファッションで、母親もそれに合わせた色調の服を着ている。クッシィはカメラを意識して微笑んでいるが、プーは一切笑わない。そんなプーに「笑わないと結婚できないわよ。」と言う母親。一見豊かで幸せそうなクッシィの家族も、歪んだものを抱えたサバービア・ファミリーのようだ。カメラにタイマーをかけ、父親が写真に写るために家族の真ん中に入ったとき、玄関のブザーがなった。頭に包帯を巻いたガープを連れたジェニーだ。怒り心頭のジェニーは、ボンカーズを紐でつないでおかないと注射を打って安楽死させると息巻いた。微笑みあうガープとクッシィに気付いたジェニーは、ガープを引っぱり踵を返した。ガープはクッシィと遊ばせてもらえなくなったみたい。ママは何でも知っているのね〜。

【ガープの世界 第08段落】  学校で暮らす看護師ジェニーとその息子ガープのことを、先生も学生達も知っている人は多い。一年生になったら、ガープをバスケットボール部へ入部させようと思っているジェニー。ガープの意志はまだ決まっていないが、白衣の母と一緒にバスケットボール部を見学。体育館のベンチに座ってバスケットボールを眺めていると、白いヘッドギアを持った少年が体育館に設置された水飲み場にやって来た。パイロットのヘルメットを思わせるヘッドギアに惹かれたガープは、その少年に付いて体育館を出て行った。彼が所属しているクラブは、レスリング部。白いヘッドギアを被り、床の上で取っ組み合いをしている男の子達。更衣室では猥談が飛び交う男っぽい世界だ。ガープは、レスリングのヘッドギアを被れば、お父さんみたいに空を飛べるような気がした。急にいなくなったガープを探して、男子更衣室の中に入ってきたジェニー。一瞬焦る男の子達とは反対に、看護師のジェニーは男の子達の裸なんて平気だ。このクラブに入ることにすると言うガープに、ジェニーは“ Animals! (獣)”と呟く。

【ガープの世界 第09段落】  深夜目覚めたジェニーは、壁を隔てた隣の部屋にガープが眠っていないことにピンとくる。白いヘッドギアを被ったガープは寮の校舎の屋根に座り、戦闘機に乗って敵と戦っている想像に浸っていた。そして墜落。屋根の端に掴まって宙ぶらりんになったガープは、大声でママに助けを求めた。ガープの大声で集まってきた人の中には校長先生もいる。慌てふためきながらも校長先生はマットレスを持ってくるようにみんなに指示。もちろんジェニーの耳にもガープの叫び声は届いている。ジェニーはベランダからガープの足をつかんだ。ガープの手が自分の体重に耐えられなくなり、ガープは落ちる。母の力は強く、ジェニーは息子の片足をつかんだ手を離さなかった。地面に落下したのは樋だけで、ケガをしたのは落下した樋に当たった校長先生だけだった。

【ガープの世界 第10段落】  父親への強い憧れがガープを危険な目に遭わせてしまった。ガープに誕生の真実を教えなければならない。ジェニーは診療室に運ばれてきた校長先生にガープが生まれた経緯を語り、隣のベッドに居るガープの耳に入れた。夫婦の務めに縛られないで子供を持つことを望んでいたジェニーは、大戦中に病院で働いているときに、自分の願いを叶えてくれる男性に出会った。彼はドイツから搬送された負傷兵。脳をやられていて、かろうじてガープという自分の名前だけを言える状態だった。ところが症状は悪くなる一方なのに、どういう訳か彼はいつも男性として戦闘状態にあった。当直の日、眠っているけどそういう状態の負傷兵のところへジェニーは行った。ジェニーは、自分の名前でない彼の言葉を初めて聞いた。“ Good! ”こうして望み通りにジェニーは妊娠し、ガープが生まれた。ジェニーの告白の内容に不快感を露わにした校長先生は、診療室を出て行った。父親が存在しないことを知ったガープとジェニーは手をつないで自分たちの部屋へと戻った。

【ガープの世界 第11段落】  ジェニーの父親が亡くなった。実家の玄関のテラスに立ち、喪服を着たジェニーとガープは海を眺めた。ママのお父さんも死んだねと悲しそうなガープに、ジェニーは人は皆死ぬと教えた。
ジェニー: The jerks, to have a life before we die. It'll come to be a really adventure having a life.(死ぬ前にしっかり生きるのよ。生きるってすてきな冒険よ。)

【ガープの世界 第12段落】  海に泳ぎに行ったガープに、玄関テラスからジェニーが叫ぶ。「引き波に注意して!」

【ガープの世界 第13段落】  大学生となったガープ(ロビン・ウィリアムズ)は、レスリングを続けている。キャンパス内を走っていたガープは、運動場の観覧席で必死に本を読んでいる女の子(メアリー・ベス・ハート)に惹かれた。禁欲的な母親の息子のくせに積極的なガープは、速攻モーションをかける。本を読んでいる真横で運動を続けるガープに、女の子は笑った。T・S・ガープのT・Sは、“ terrible sexy (とてもセクシー)”元は“ terrible shy (とてもシャイ)”という意味だと話すガープ。眼鏡をかけ、グレーの運動着を着たその女の子は、レスリング部の新しいコーチ(ブランドン・マガート)の娘で、ヘレンといった。

【ガープの世界 第14段落】  レスリングの試合。観覧席には白衣姿の母ジェニー、そしてコーチの娘であるヘレンもいた。ヘレンを意識しながら試合をするガープ。ジェニーは息子の視線の先にあるものをチェック。ガープは最初劣勢だったが、ヘレンの応援のお陰か、勝利する。試合後、コーチの許に駆け寄ったジェニーは、息子が欲望に悶え、娘さんを求めていると忠告。娘はしっかり者だし、自然なことだと答えるコーチに、恐ろしい病気も自然現象だと返すジェニー。娘を見張るように言って、ジェニーは帰っていった。

【ガープの世界 第15段落】  ガープは女子大の休暇で戻ってきているクッシィと出会った。クッシィは、男好きの美しい女の子に成長していた。恋人のような男の子を連れているのに、クッシィは「頭痛がするの。」とガープに言って悪戯に微笑む。美人の幼なじみとの再会に何だか嬉しいガープ。

【ガープの世界 第16段落】  体育の授業中に運動場の観覧席でジェームス・ジョイス James Augustine Joyce ( 1882-1941 )の『ユリシーズ( Ulysses )』を読んでいるヘレンに、ガープは話しかける。ヘレンには結婚願望はない様だが、結婚するなら作家がいいと思っている。ガープは自分も本が好きで、文学に造詣が深いところをアピールし、将来作家になるつもりであることを話した。そしていつもグレーの運動着を着ているヘレンにドレス姿を見てみたいと言って、女心をくすぐった。

【ガープの世界 第17段落】  深夜、タイプの音で目覚めたジェニーは、壁を隔てた隣の部屋でガープがまだ起きていることに気付いた。ガープは小説を書いているのだ。ジェニーはガープに早く寝るようにベッドの中から注意したが、しばらくして息子が何を書いているのか気になったようで、懐中電灯を持って隣の部屋に侵入する。ガープはもう寝ていて、部屋の中はもう暗い。ジェニーは懐中電灯を当ててガープの未完成の作品を読んだ。ガープの作品は、ジェニーについてだった。ジェニーはガープを起こして、勝手に自分について書かないでと怒った。その内、自分自身が自伝を書く気になるかもしれないとも言ってジェニーは部屋を出た。

【ガープの世界 第18段落】  キャンパス内の人目に付かない木陰で、ガープはクッシィと「頭痛がするの。」の続きをしている。そんな二人を茂みから眺めている人物は昔と同じ。プーだ。髪を二つにくくり、眼鏡をかけたプーは、子供のときの姿そのままに成長している。偶然、へレンがグラウンドの端にある水飲み場に姿を現した。ヘレンはいつもの運動着とは違い、スカートを穿(は)いている。意地悪なプーはヘレンを側に呼んだ。プーが覗いているのと同じ方向を見たヘレンは衝撃を受ける。ヘレンは何も言わずその場を立ち去った。

【ガープの世界 第19段落】  その晩、ガープのタイプは滑らかに音を立てた。一方、隣室のベッドの上のジェニーは鉛筆を持って自伝の出だしに苦悶している。

【ガープの世界 第20段落】  短編を仕上げたガープは、それをヘレンに読ませようと声をかけた。運動着姿のヘレンはガープを避けて遠のいていく。ヘレンを追いかけたガープは車に当たり、持っていた用紙が宙に舞い上がった。その紙がガープの処女作だと知ったヘレンは、ガープと一緒に紙を拾い集める。君のために書いたと言ってガープは集められた紙を差し出したが、クッシィとのことを怒っているヘレンは紙を放り上げ、ガープを置いて立ち去った。時間が無いとヘレンの背後から叫ぶガープ。ガープの家系は若死にするので、その前にニューヨークへ行って作家になるつもりなのだ。再び散らかった紙を拾い集めるガープは、唸り声を上げるボンカーズの足元に一枚あるのに気付いた。ボンカーズはガープに飛び掛ったが、ガープはリベンジを果たす。ガープに耳たぶを噛み切られたボンカーズは、キャンキャンと尻尾を巻いて家に逃げ帰った。(老犬を虐めちゃダメだよ。)

【ガープの世界 第21段落】  ガープはジェニーに血を拭いて貰っているとき、ニューヨークへ行くことを切り出した。ガープは自分一人で出発すると思っていたら、ここに長く住みすぎたとジェニーも一緒に行くつもりだ。外でクッシィの父親がボンカーズのことで怒っている声がしている。ジェニーは窓を開け、下にいるボンカーズの飼い主に「ガープが噛んだの。」と勝ち誇ったように言った。

【ガープの世界 第22段落】  夕方のニューヨーク。ガープとジェニーは母子で買い物。変わった母親のジェニーは、道でガープが視線を送った売春婦(スウージー・カーツ)に“欲望”について話を聞きたいと声をかけに行く。 20 ドルで話しをしたいというオバサンに売春婦は一瞬とまどうが、不思議な母親にコーヒーもおごって貰うことに。ダイナーのテーブル席で、ジェニーは売春婦とガープに質問をする。お客と寝て肉欲的な喜びを感じるのか、ガープはこの女性のどこに惹かれるのか等。二人とも大した返事はしていないが、ジェニーは自分の質問が終わると、後はガープに任せると席を立つ。ジェニーが売春婦に約束のお金をその場で支払おうとすると、売春婦とガープは慌てた。売春は違法なので、公衆の面前でのお支払いは危険なのだ。ジェニーは自分の体を好きに使うのが違法なのかと怒って深刻な顔で帰って行った。後に残されたガープと売春婦は、ちらちらとお互いを見合って微笑んだ。

【ガープの世界 第23段落】  ガープが帰ってくると、ジェニーの部屋からはタイプの音。ジェニーは『性の容疑者 The Sexual Suspect 』という本を書くようだが、ガープには内容をまだ明かさない。自分の部屋に入ったガープは、向かいのアパートの一室から聞こえるサックスのメロディに誘われ、自分の過去を振り返る。そして先日歩道で見たシカゴ出身と思われる男女のことを思いだした。--アパートの窓からピアノを入れるために、ビルの突起に釣り下げられたピアノ。タクシーが止まり、そのアパートへ口論しながら入って行った男女。タクシーが去った後、歩道に黒い手袋が落ちていた。--ガープは拾ってきたその手袋を横に、タイプに向かう。

【ガープの世界 第24段落】  --マットレスをと叫ぶ校長先生。消防車が集まっている。急いで到着したタクシーからは、昨日見た女性が出てきた。彼女はアパートを見上げて「スティーヴ!」と叫んだ。燕尾服を着た男がアパートのベランダの欄干に立っている。彼の前には釣り下げられているピアノ。男はやって来た女性に「シカゴを覚えているか?」と言い、また、もう用はないと黒い手袋を下へ放った。ヒラヒラと落ちる黒い手袋。男は釣り下がっているピアノに座って、弾き語る。女性が「降りてきて!」と叫ぶと、彼はピアノから飛び降りて、下の災害用のマットレスの上に落ちた。すると、ピアノを釣り下げていた紐が緩んだのだろうか、ピアノが男の真上に落下!女性は手で顔を覆った。--

【ガープの世界 第25段落】  ガープは完成した上記の内容の小説をジェニーに読んで貰った。内容がよく分からないと言う母に、ガープは熱っぽく解説する。--触ったものが幸せになる魔法の手袋を持っている男がいたが、その男自身は悲しみも喜びも感情を一切感じることができなかった。手袋を投げ捨て、身投げした男は、落ちていく瞬間に初めて生を感じる。--そう聞いたジェニーは、良い話ねとガープにコメントした。一方、ジェニーは大作を仕上げていた。ガープは母の作品を読もうとするが、ジェニーは出来上がった作品を出版社に見せるためにさっさと出かけて行く。ジェニーが使っていたタイプライターを返却するのに、ガープも一緒に出かける。ガープはとっさに自分の作品もポケットに入れた。

【ガープの世界 第26段落】  既成概念を打破した生き方を選択したジェニーは、かなりやり手で自信家。出版社にも物怖じしない。彼女が書いたのは、自分について。一緒に出版社に付いて来たガープが、自分についても書かれていると知り、ジェニーに抗議しようとすると、ジェニーは息子も作家志望だと出版社にアピール。ガープは母親に文句を言うのをやめ、自分の作品を机に置いた。ジェニーの作品の題名は『性の容疑者』。ジェニー曰く、仕事をして自立したいと考え、子供が欲しいけど結婚したくないと考えた自分が、世間から見て女として疑わしい女だから。こちらから連絡すると言って部屋を出て行くジェニーは、ホント、天晴れな女性だ。

【ガープの世界 第27段落】  ガープは大学に戻り、ヘレンに自分の短編小説を読んで貰った。チェックのワンピースを着たヘレンは、ガープの作品について、とても悲しいと号泣。その反応を見て、ガープは大喜び。この作品は雑誌掲載が決定し、長編を書いたらジェニーの作品を扱った出版社が出版してくれる。作家になったガープは、作家の妻になりたいヘレンにプロポーズした。

【ガープの世界 第28段落】  白衣のジェニーが写った赤い表紙の本『性の容疑者』が書店にズラリと並ぶ。ジェニーは瞬く間に時の人となった。ガープは、母に先を越されて悔しいし、作家としてではなくジェニー・フィールズの私生児として有名になったことに不満だった。ジェニーは欲望が何かも知りもしないのにと出版社の男に不平を漏らすガープ。出版社の男は、出版はタイミングであり、物議を醸す本は売れると話した。実際、ジェニーの本は出版社の男のところまで嫌がらせの手紙が届くほど、世間では注目されている。出版社の男は、ガープの小説家としての才能を認め、ジェニーの本は小説というより政治的声明文で、これで名声と富を得たジェニーはフェミニスト達のリーダーになるだろうと話した。

【ガープの世界 第29段落】  ジェニーの本のキャンペーンが大々的に行われている。フェミニストの女性が演壇から集まった大勢の女性達を煽動する。その横で、ファンと握手をし、本にサインをするジェニー。その中の女性に、あの売春婦の姿もある。銃声!叫び声を上げ、慌てふためく女性達。木の上の男が、ジェニーに向かって発砲したのだ。男はその場で射殺、ジェニーは無事だった。

【ガープの世界 第30段落】  結婚したガープとヘレンは、一緒にマイ・ホームを探している。財務省はリッチになったジェニーだ。閑静な住宅街に立つ、白い綺麗な家が気に入った二人。私が教鞭を執る大学に近いとヘレンが言い、僕が行くスーパーに近いとガープが言うと、不動産屋のオバサンは自分の家と同じように旦那が働いていないと思う。ヘレンが夫はT・S・ガープという作家だと話すと、不動産屋のオバサンは目の前にいる男がジェニー・フィールズの息子だと気付く。ジェニーの本を読んだと喜んで話すオバサンに、複雑な心境で微笑むガープ。するとエンジントラブルを起こしたセスナ機がフラフラと飛んできて、商談中の白い家に突っ込んだ。パイロットに怪我はなかった。ガープは、飛行機が同じ場所に落ちる確率はゼロに近いから安全だと、その家を買うことにした。

【ガープの世界 第31段落】  新居のベッドルーム。ジェニーの本はアパッチ語にまで翻訳されるが、自分の本は売れないとイライラしているガープ。批評家には評価されていて、自分が教える学生の中にもガープのファンが居るとヘレンは励ます。しかし、ガープの気は晴れない。そこでヘレンはガープに妊娠したことを明かす。ガープは涙を流して喜ぶ。普通は母親が泣くものだとヘレンが言うと、家で掃除や洗濯をするのは僕だから僕が泣くとガープは微笑んだ。ガープは赤いペンでヘレンのお腹に赤ん坊の絵を描き、キスした。

【ガープの世界 第32段落】  長男ダンカンが生まれた。庭でガープは嬉しそうに赤ちゃんに話しかける。“ Dada. ”と言わせようとするがダンカンは言わない。そんな時、住宅街を猛スピードで走る赤いトラックが出現。ブチ切れたガープは、先回りして赤いトラックを止めた。しかし、運転手の男はガープの注意を無視して、車を発車させた。

【ガープの世界 第33段落】  ガープは家族と共にジェニーの家を訪れた。ジェニーの海辺の邸宅には、彼女を慕う女性が大勢集っている。ガープは彼女たちがジェニーのお金目当てのたかりのような連中だと思っている。ガープ達が家に到着すると、女達が家のペンキを塗ったり、車を修理したり、浜辺でバレーしたりしている。その中には、あの時の売春婦もいる。ガープと売春婦はお互いに微笑み合う。ヘレンから彼女は誰かと訊かれ、「ママの知り合いだよ。」と答えるガープ。

【ガープの世界 第34段落】  ガープはテラスの柱にペンキを塗っている女性に声をかけた。その女性は首にかけたメモ帳に“ Hi. ”と書いて愛想なくガープに渡した。バレーボールを追いかけて足をくじいた女性にガープが駆け寄ると、その女性は異常にガープを恐れて叫び声を上げた。バーバラという口の利けない女性が怒ってガープに掴みかかろうとする。ジェニーは、エキセントリックな彼女たちの行動が頭にきているガープに、エレン・ジェームズ事件の抗議運動について話す。エレン・ジェームズは 11 歳で二人の男にレイプされ、口止めのために舌を切られた。ここにいる口の利けない女性達は、この事件に抗議して、自らの舌を切った人たちなのだ。

【ガープの世界 第35段落】  自分の体を傷つけるなんてやりすぎだと彼女たちを批判するガープに、ロバータという大柄の女性(ジョン・リスゴー)がここの女性はみんな傷を持っていると話し、そういう人達を癒そうとしているジェニーは素晴らしい人だと言った。ここで唯一まともなことを話すロバータのことを、ガープは以前に見たことがあるような気がした。その事をガープがロバータに話すと、彼女は以前自分がプロフットボールチームでプレーしていたロバート・マルドゥーンであることを明かした。

【ガープの世界 第36段落】  ジェニーとロバータに見送られ、ジェニーの家を後にするガープ一家。車に乗り込むヘレンに、ジェニーは二人目の子供について尋ねた。妊娠をまだ秘密にしていたヘレンが驚くと、私は看護師よとジェニーは胸を張る。ガープは幸せいっぱいだ。

【ガープの世界 第37段落】  腕白な長男のダンカン(ネイサン・バブコック)、弱虫な次男のウォルト(イアン・マグレガー)の可愛い子供達、順調な仕事、ロバータのような理解のある友人。ガープもヘレンも幸せで穏やかな日々を暮らしている。腹が立つのは、住宅街の平安を脅かす猛スピードの赤いトラックくらいだ。ヘレンは大学院生を教えることになり、ガープは本屋のショーウィンドウに本が並ぶ作家になった。でも、あんまり幸せすぎると、刺激が欲しくなるのが人の常なのかもしれない。

【ガープの世界 第38段落】  夫婦で映画を見に行った帰り、ガープは家が近づいてきたカーブ付近で車のライトを消し、真っ暗闇の中を運転する。ヘレンは不安がるが、空を飛んでいるみたいだと喜ぶガープ。そしてカンを頼りに、家の壁キワキワで停車する。へレンがベビーシッターを呼びに行き、車内に残ったガープは、スローなナンバーが流れる中、幸せをかみ締めている。すると急に曲調がロックに変わる。助手席に座っているベビーシッターの女の子(サブリナ・リー・ムーア)はガープのタイプだ。家を離れていく車を玄関から不安そうに眺めるヘレン。ヘレンの不安は的中。女の子からT・S・ガープのT・Sの意味を訊かれ、“ terrible sad (とても悲しい)”元は“ terrible sexy (とてもセクシー)”とニヤニヤ答えるガープ。 30 歳のガープは、有名作家への憧れの瞳を持った、若さはじける 18 歳の女の子に対する“肉欲”を抑えることができなかった。

【ガープの世界 第39段落】  満面の笑みでベッドに横たわっているガープ。ヘレンはその隣で学生の書いた作品をチェックしている。もっと若い頃のヘレンに会いたかったとか、いつの間にか中年になったとか、ガープはウキウキ話す。そして、ここは乱暴な運転手がいるし、見知らぬ人間が僕らの間に入り込んでくるから、引っ越ししようとも言う。夫の裏切りを感じ取ったヘレンが、ベビーシッターと何かあったのかと訊くと、ガープは急に機嫌が悪くなる。図星丸分かりの反応だ。ガープはヘレンを求めたが、ヘレンは学生の作品を読みたいと拒絶。それは、ヘレンに恋焦がれているマイケル・ミルトン(マーク・ソーパー)という学生のものだ。ヘレンは、若くて頭がいいとマイケルについてコメントした。ガープはヘレンと一緒に子供達の寝顔を見たくなった。二人で子供部屋を覗くと、スヤスヤと眠るダンカンとウォルトの姿。ガープは父親で夫であることに最高の幸せを感じた。

【ガープの世界 第40段落】  道に面した家の庭で、ガープと子供達が騎士、ロバータがお姫様を演じてチャンバラごっこ。ダンカンとガープが相打ちして死ぬ演技をするのを見て、ウォルトは自分も死ぬ役がしたいと言った。ガープはウォルトの願いをきいて、ウォルト卿に死ぬチャンスを与えてあげる。小さなウォルトが死ぬマネをするのはとてもカワイイ。夕食の準備をする時間になり、遊びは終わり。私ってバカね…と、ロバータは若くてハンサムな恋人の待つ町へとオープンカーを走らせた。その頃、ヘレンは大学の駐車場に。帰ろうとヘレンが車に乗るが、車が動かない。隣の車に乗っているマイケル・ミルトンが送りましょうかとヘレンを誘った。ヘレンは、マイケルの下宿へ行くことにした。マイケルの恋人のマージ(イヴ・ゴードン)が、去っていくマイケルの車を目撃し、顔を曇らせる。

【ガープの世界 第41段落】  帰宅したヘレンは、ガープの用意した夕食を家族と一緒に食べる。ガープは上機嫌で、ファミリー・プロジェクトとしてクリスマスの作品を書くことをヘレンに話した。提案はダンカンで、絵はウォルトが描く。チャンバラごっこで一度死んで生き返ったガープは、今日一日で人生を生きた気分みたい。“ What a day! (素晴らしい日だ。)”と、満面の笑みを浮かべるガープを見て、罪悪感を感じるヘレン。

【ガープの世界 第42段落】  ガープ一家は、ジェニーの海辺の邸宅で休暇を過ごす。浜辺でロバータと一緒にガープとヘレンとダンカンがフットボールをしていると、舌を切った女性集団が何やら深刻な話し合いをしている。テラスにいるジェニーは孫の描いたカワイイ絵を見ながら、年をとるのは素敵なことだとウォルトに話している。エレン・ジェームズ事件の抗議運動のために舌を切った女性達が深刻なのは、エレン・ジェームズ本人から運動をやめて欲しいという手紙が届いたからだ。しかし、女性達は、相談の結果、運動を続けることにした。エレンは、再び襲われるかもしれないという危険性から、所在など一切公表していない。その事をジェニーから聞いたガープは、身を隠しながら、運動に責任を感じているエレンの気持ちに理解を示した。ガープは送られてきた 11 歳のエレンの写真をジェニーから借りた。浜辺に目をやると、水着を着たウォルトが海に入ろうとしている。ガープは「引き波に気をつけろ。」と大声で叫ぶと、ジェニーに目をやり、微笑んだ。

【ガープの世界 第43段落】  恋人と別れ、嫌がらせの手紙が届き、気分的に滅入っているロバータは、船旅のツアーに出るつもり。「私も何か書ければ気が晴れるのに。」とガープに話しながら、ロバータは夕暮れ時の海を見た。性転換で女のカンが身に付いたのか、ロバータは不吉な予感を感じ取る。・・・

◆ここからは、結末まで書いていますので、ストーリー全体が分ります。御注意下さい。
 ATTN: This review reveals the movie content. Please don't say that I didn't say !


【ガープの世界 第44段落】  浮気に悩むヘレンは日常に戻りたくなかったが、休暇は終わり、ガープ一家は車で家路に着く。車の中、ダンカンは“ undertow (アンダートウ:引き波。岸からかえす波; 海面下の逆流)”を“ under toad (アンダー・トウド:ヒキガエルの下で)”と聞き間違えていたウォルトをからかう。ある日、買い物を終えたガープが家に帰ると、玄関にマイケルの恋人マージが立っていた。緊張してうまく話せないマージを、ガープはエレン・ジェームズ事件抗議運動の女性と勘違いする。マージはガープに手紙を渡して去った。

【ガープの世界 第45段落】  その夜、ガープは、子供達をダイナーに連れて行き、夕食をとらせた。公衆電話から家に電話をかけても、ヘレンは出ない。帰りが遅いのは、マイケルと会っているからだと知ってしまったガープは、怒りに燃える。外食を初めは楽しく思っていた子供達も、ガープの機嫌の悪さに辛くなる。帰宅したヘレンは、机の上のマージからの手紙に気付き、愕然とする。電話が鳴り、ヘレンは急いで受話器をとる。土砂降りの雨の中、ガープが電話ボックスの公衆電話からかけている。ガープは、相手の男に別れの電話をするようにヘレンに言うが、ヘレンの裏切りを許すことはできないようだ。ガープが電話を切ると、ヘレンはマイケルに電話をかけ、別れを切り出した。受け入れられないマイケルは、ヘレンの家に行くと言う。

【ガープの世界 第46段落】  マイケルを家に入れるわけには行かない。ヘレンはマイケルの車が駐車されると、雨の中すぐに外へ出て行った。ワイングラスとシャンパンのボトルを持って車から出てきたマイケルに、ヘレンは車の中で話をするように頼む。子供達と映画館へ行ったガープは、公衆電話から家に電話するが、誰も出ない。映画の途中だったが、気が気でないガープは子供達と家に戻ることにした。車の中にいるヘレンは、 2 杯シャンパンに付き合ったからと、マイケルに帰る様に言うが、別れたくないマイケルは帰らない。それどころか、興奮してきたようで、ヘレンに肉欲を満たしてもらいたがった。ヘレンはそれをし終えたら帰ることを約束させて、仕方なくマイケルの要求に従った。

【ガープの世界 第47段落】  映画館からの帰り、家が近づいてきたカーブ付近で、子供達は車のライトを消してもらいたがった。空を飛んでいるような感覚に歓喜する子供達。子供達にノセられ、ガープは車のスピードを上げた。ウォルトが喜んで“ It's like a dream! (夢みたいだ!)”と言ったその時、車は停めてあったマイケルの車に衝突した。

【ガープの世界 第48段落】  船旅ツアーを中断したロバータが急いでジェニーの邸宅に戻って来た。ロバータが見たガープ一家は、以前の幸せなファミリーとは全く違っていた。あの事故のお蔭で、ヘレンはアゴに矯正器具を付け、ガープは舌とアゴを縫って口を利くことができず、ダンカンは右目を失い、そしてウォルトは天国に行ってしまった。ロバータは、自分の場合は手術室で取ったけど、車の中で噛み切られたマイケルに同情した。ガープはヘレンを許せないでいる。ヘレンは深く傷つき、精神的にギリギリの状態だ。このままガープに無視され続ければ、ヘレンはダメになってしまう。ジェニーは浜辺を歩きながらヘレンに辛く当たるガープを諌(いさ)めた。看護師の子供なのだから、自分のキズは自分で治すようにとジェニーは言った。

【ガープの世界 第49段落】  抜糸をして口が利けるようになったガープは、ヘレンの部屋を訪れた。二人は仲直りし、できるだけ早く子供を作ることにした。クリスマスの頃にはガープの部屋からタイプの音が聞こえるようになった。ガープは出版社の男の忠告を無視して、エレン・ジェームズ事件の抗議運動をする女性達を批判する本『 エレン 』を書いた。ヘレンが女の子を出産。喜びいっぱいの家族。ジェニーが取り上げたその赤ちゃんは、ジェニーと名付けられた。

【ガープの世界 第50段落】  息子夫婦も落ち着きを取り戻したので、ジェニーは政治運動に身を乗り出す。ニューハンプシャーの知事選挙に立候補することにしたのだ。海辺の家を出発する白衣のジェニーは、ガープに「お前を生んで良かった。」と言う。到着したヘリコプターへロバータと一緒に向かうジェニー。ガープは「父親なんて必要なかった。」と叫ぶが、その声はプロペラの轟音にかき消されてしまう。ジェニーが去った後、海を見つめるガープは何かを感じ取っていた。

【ガープの世界 第51段落】  演台に立ったジェニーの横で、ボディガードのロバータは不安げに周りに注意を払う。しかし、悪漢の銃口がジェニーに向けられているのに気付いた時は、もう遅かった。支持者の女性達がパニックになる中、ロバータは倒れたジェニーを担いで車に向かう。海辺の家の電話が鳴った。何が起こったのか悟ったガープは目を伏せた。

【ガープの世界 第52段落】  ガープは、“女性改革者追悼式”であるジェニーのお葬式に出ないほうがいいと、ロバータやヘレン、出版社の男から忠告を受ける。ガープの著書『エレン』は、エレン・ジェームズ事件抗議運動の支持者たちから批判の的になっているからだ。彼女達の前に姿を現せば、どんな目に遭うか分からない。しかし、ガープは、今は大勢の人たちと悲しみを分かち合いたいと、お葬式への出席を主張した。ヘレンに抱かれた赤ん坊のリトル・ジェニーが泣く。

【ガープの世界 第53段落】  女性ばかりのジェニーのお葬式。参列席には、女装したガープがいる。そんなガープの存在に気付くのは、プーだ!プーは立ち上がってガープの傍に行き、彼を指差して“ガープ!”と舌を切った声で叫んだ。式場はパニック。ショートカットの女性(アマンダ・プラマー)に手を引かれ、ガープはロバータとあの時の売春婦らに守られながら、非常口から出て行く。ビルの通用口が近づいてくると、ショートカットの女性は手にしていた本『エレン』をガープに見せた。その女性は口が利けない。彼女も事件の抗議運動支持者だろうか?その女性は、本を指差して、自分を指差した。彼女がエレン・ジェームズなのだ。エレンは感謝の意を込めてガープの頬にキスをした。ガープは話がしたかった。しかし、エレンはすぐさま道路に出てタクシーを拾うと、ガープをその中に押し込んだ。

【ガープの世界 第54段落】  ガープ一家は、自分達の家をまた購入した。その家の居間で、昔のジェニーみたいに、ガープは小学校に上がるダンカンに科目選択について指示する。ガープとヘレンはこれから映画を見に行く。その間、ダンカンとジェニーの世話をするベビーシッターは、男の子だ。車に乗ったガープは、エンジンをかける様子がなく、窓に映る楽しそうな子供達を眺めて微笑んだ。そんなガープを見たヘレンは、元々彼が映画を観る代わりに、ここから子供達を観るつもりだったことに気付く。ヘレンの父親の後を引き継いで、レスリング部のコーチをしているガープは、このところ小説を書く気にはならない。思い出だけが頭を駆け巡ると話すガープ。一方、ヘレンは教職への復帰を考えている。車の中から子供達を眺め、ガープとヘレンは幸せに浸る。

【ガープの世界 第55段落】  嘗て自らも汗を流した場所で、ガープは学生達にレスリングを指導している。観覧席にいるへレンは、何かを読んでいる。そこに白衣姿の女性が現れたが、誰も彼女に気をとめる様子はない。その女性はずんずんガープに近づいていく。誰も彼女を止めないのは、彼女が見知った存在だから。そう、その女性はプーだ。白衣を着たプーは、至近距離からガープを銃で 3 発も撃った。プーはレスリング部の屈強な男の子達に取り押さえられ、ヘレンは壁際に倒れるガープに駆け寄った。ヘリコプターで病院に搬送されるガープ。ガープは傍に付き添っているヘレンに全てを忘れないでいてと微笑んだ。人生最初の記憶は、空を飛んだこと。人生の終わりもまたガープは空を飛んでいる。ガープはまた夢の中へ…。

♪THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU♪( by Nat 'King' Cole)の終わりの部分が流れる。
…Yes, I may dream a million dreams,(これからたとえ 100 万の夢を見ても)
But how can they come true,(その夢は叶わない)
If there will never, ever be...(僕にあるのは愛する君だけ)
Another you?(他には誰もいない)

※日本語訳は、映画の字幕によるものです。。

【ガープの世界 第56段落】  エンディングも♪ WHEN I'M SIXTY-FOUR ♪by The Beatles 。

【ガープの世界 感想】  ♪ WHEN I'M SIXTY-FOUR ♪を作ったジョン・レノンは、ご存知のように 64歳になることなく、 40 歳で銃弾に倒れてしまった。ガープが何歳で死んだか分からないけど、♪ WHEN I'M SIXTY-FOUR ♪という選曲が、何となく結末と結びついているような感じがする。第 54 段落の車の中のシーンで、ガープはヘレンに「人生は、過去の色々な出来事がつながり合って一つの線になる。」みたいなことを言っている。この映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』も、そんな作りになっているかなぁと思った。又、映画の中でガープが書く『魔法の手袋』の物語もまさにそういう感じで想像されたものだ。色々なディテイルが積み重なって、一つの出来事が起こる。

 例えば、ガープ一家に起こった悲劇も偶然ではない。ガープとヘレンの連鎖的な浮気、車のライトを消して運転するガープの遊び等が原因になっている。そして、ガープ自身に、そういう将来に起こる出来事をなんとなく予知する感覚が少し備わっているところがまたおもしろい。(著者ジョン・アーヴィングとガープには共通するところが多いそうなので、もしかしたらアーヴィング自身そんな人なのかもね。) 自分が作家になることや、若死にすること、ジェニーの死などを感じ取っていたし、車の衝突事故が起こる以前に、町の暴走車にいやに敏感に反応したり、家を越したがったりしたのも不思議だ。(確かに飛行機が衝突する確率は0だった…。) でも、いくら先を感じ取れても、運命は変えられない。というか、あらゆる微細なことの繋がりで事が起こっていくのだから、その必然は変えられないとでも言おうか。

 次男ウォルトの事故死についても、それを示唆するメタファーが用いられている。ウォルトがチャンバラごっこで進んで死ぬ役をしたり、“ undertow ”を“ under toad ”と聞き間違えたり。(英語の“ toad ”の発音は、ドイツ語の“ tod (死)”と似ているらしい。) また、女の子みたいな男の子のウォルト自身が、次に生まれる女の子リトル・ジェニーのメタファーだったような気もする。映画『 イル・ポスティーノ (1994) IL POSTINO (原題) / THE POSTMAN (英題) 』で描かれていたように、世界は隠喩に溢れているようだ。

 今は、精子バンクなんてものも存在し、ジェニーが選択した人生は、当時ほど衝撃的では無くなった。オランダでは、精子提供者の父親を探すことができる権利を子供が持つ法律がもうすぐできるほど、家族のあり方は多様になった。ウーマンリブなんて言葉も死語って感じ。映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』に一部出てきた女性達のように男性を敵視するのではなく、今は男性と共生しながら女性が社会進出していく時代だと思う。また、性同一性障害の人が戸籍上の性別を訂正できるようにもなった。女も男もその間の人もそれぞれ自由に生きられるようになってきている。

 この映画が観たくなったのは、結婚しないことを選択した女性に、どういう結論が与えられているか知りたかったから。しかし、映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』で描かれていたのは、そういう主義主張ではなかった。小説では、最後の行に“ In the world according to Garp, we are all terminal cases. (ガープの世界では、私達は皆、末期患者である。)”と書かれてあるそうだ。映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』は、そういう極限的な世界をユーモラスに描いていた。刹那的な人生を懸命に生き、銃弾に倒れながらも微笑んで死んだガープ。ジェニーの言う“ To have a life before we die. (死ぬ前にしっかり生きなさい。)”とは、自分のために“しっかり”はもちろんだけど、誰か他の人のために“しっかり”ということなのだと思う。結婚するしないに関わらず、子供を持つ持たないに関わらず、男女に関わらず、人生は冒険。微笑んで死ねるよう、しっかり生きたいな。

 アカデミー賞にノミネートされたグレン・クローズとジョン・リスゴーがヨカッタ!特に、ジョン・リスゴーはハマってた。ロバータのスピンオフ映画があればいいのに!

以上。
<もっと詳しく>からスペースを含まず19181文字/文責:幸田幸

参考資料:「映画の森てんこ森」映画タイトル集
       http://www.coda21.net/eiga_titles/index.htm
      IMDb
      allcinema ONLINE
      Nostalgia.com
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■映画『 ガープの世界 (1982) THE WORLD ACCORDING TO GARP 』の更新記録
2005/01/18新規: ファイル作成
2005/01/23更新:◆解説とネタばれおよび俳優についてリンク
2005/04/01更新: ◆データ追加
2005/04/29更新: ◆データ追加
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幸田 幸
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